メルセデス・ベンツが「乗用ミニバン」に本気になった! 電動ミニバン「VLE」の後席の豪華さがヤバすぎる (2/2ページ)

欧州流の新しいショーファーカー

 EVであることの利点も大きい。エンジンがないため、車内は極めて静かだ。ロードノイズや風切り音は残るが、エンジン音と振動がないことで、後席の快適性は非常に高いレベルになっていることが想像できる。航続距離は700km以上を確保しており、急速充電も15分で355kmぶんの充電が可能だ。実用面での不安は少ないといえるだろう。

 車内は最大8人乗りの3列シート仕様で、両側に電動スライドドアを装備する。この点は、日本の高級ミニバンと同じパッケージングだ。ただし、ボディサイズは全長約5309mm、全幅1999mm、全高1916mm。全幅は2m近く、アルファードの全幅1850mmはもちろん、LMの1890mmと比べても100mm以上広い。これは欧州や米国の道路事情を前提としたサイズで、日本の都市部での使用を考えるとやや厳しい数値だ。

 日本市場でLMやアルファード/ヴェルファイアが圧倒的な支持を得ているのは、後席の豪華さと実用性の高さにある。オットマン付きのキャプテンシートで移動できる快適性は、一度体験するとほかのクルマには戻れないという声も多い。VLEは、そこにデジタル体験という新たな価値を加えようとしている。

 興味深いのは、メルセデス・ベンツがこのセグメントに本気で取り組んでいるという点だ。このVLEに続いて、さらに上級の「VLS」も予告されている。欧州メーカーは長年、ミニバンを商用車の延長、あるいはファミリーカーとして扱ってきた。それを高級車として再定義しようとする動きは、アジア市場、とくに中国での高級ミニバン需要の高まりを反映している。

 VLEは2026年後半から欧州、米国、中国市場で発売される。価格は未発表だが、装備内容を考えると相当に高額になることは確実だ。日本市場への導入については発表されていないが、事実上の先代モデルとなるVクラスが販売されていたことを考えると、VLEも国内発売される可能性はある。

 ただ、もし日本に導入されれば、国産モデルとは異なるアプローチの高級ミニバンとして、一定の需要は見込めるかもしれない。デジタル体験を重視するユーザー、EVならではの静粛性を求めるユーザーにとって、VLEは魅力的な選択肢となるし、日本におけるメルセデス・ベンツのブランド力には相当なものがある。アルファードが日本的な「おもてなし」の象徴だとすれば、VLEは欧州流の「モダンラグジュアリー」の体現だ。高級ミニバン市場に、新たな選択肢が加わる可能性は十分にある。


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