この記事をまとめると
■バンコクの地方部では給油待ちの渋滞が頻発している
■場所によっては給油量の制限やその日分のガソリンが完売するケースがある
■ガソリンの供給が不安定でもバンコクの人たちはいつもどおりの生活を送っている印象だ
バンコクでもガソリン高騰が止まらない
2026年3月末に出張でタイの首都バンコクを訪れた。訪れる前にはSNSでガソリンスタンドに給油を待つ車両の長い列といった混乱する動画が散見できたので、丁度いいタイミングといったら失礼なのだが、バンコク首都圏でのガソリン事情について可能な限り話を聞いてまわった。
まずはバンコク市内でも中心市街地ともいえる、BTS(高架鉄道)アソーク駅近くのガソリンスタンドへ向かった。東京でも23区でさらに中心地域のガソリン価格といえば、今回のような騒ぎがなくても高いので、どこまで参考になるかわからないのだが、一般的なオクタン価91のガソリン(日本でいうレギュラーガソリン相当)では、1リットルあたり41.34バーツ(約206円)となっていた(訪問時)。
バンコクのガソリン価格のイメージ画像はこちら
ちなみにオクタン価95のガソリンは表示がないので、売り切れとなっていたようであった。SNS動画のような給油待ちの列がないので話を聞いてみると、バンコク首都圏ではなく、地方部で給油待ちする車列ができているようだとして、さらに、バンコクなどの都市部ではその様子に苦笑いしているとも付け加えてくれた。
地方部で給油待ちの列ができやすい背景を探ると、軽油は夕方にはその日の販売ぶんが売り切れになるとのことで、軽油のほうが流通上の問題が大きくなっているようであった。そして地方部ではピックアップトラックや、それをベースとしたSUVの需要が目立つ。そしてこれらの車種では圧倒的にディーゼルエンジンを搭載している。そのため、軽油需要の多い地方部で、価格高騰だけではなく供給問題も発生しているようであった。
バンコクを走るピックアップトラック(マツダ BT-50)画像はこちら
別の現地在住日本人からは、系列スタンドによって異なるとしながら、500バーツぶんや700バーツぶんといった上限給油規制がバンコク首都圏でも行われているとのことであった。さらには、ガソリン価格の値上げが決まるといったんガソリンスタンドが休業して、給油に来た人には、「あっちのスタンドは営業しているよ」と教えるそうで、給油に際しては開いているスタンドを探すという面倒も加わっているようであった。ガソリン価格引き上げによる一時休業が明ける直前には、バンコク首都圏でも若干の給油待ちの列が発生するとのことであった。
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日本ではガソリン価格の行方は注目されているが、給油規制といった話にまでは発展していない。「2~3カ月で枯渇するのでは?」とバンコクでは話す人も多いので、マイカーの利用を手控えているのかと思っていたが……。
2026年3月25日から4月5日の期間でBIMS(バンコク国際モーターショー)が開催されている(本稿執筆時点)。昨年は一般公開日となると会場周辺はクルマで来場した人で大渋滞が発生していたのに、今回はそれほどでもなかった。バンコク市郊外の会場まで、バンコク市中心部から多少便が悪いとはいえ、モノレールで会場近くまで行けるようになったこともあるのだろうが、これもガソリン問題の影響なのかなと考えてしまった。
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バンコク首都圏ではそれでも地域や時間帯によっては渋滞が発生しているのだが、これについては、「そもそもバンコクでは子どもを学校へ送迎するためにクルマを使う人が多く、これも渋滞発生の主要因ともいわれています。しかしこの時期は春休みなので送迎車両がなく例年交通量は少なめなのですが、例年の様子と比べても若干ですが、交通量はさらに少なめになっているように見えます」とは現地在住事情通。
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日本みたいに「大変だ大変だ」という報道ばかりが目立つ状況とは一線を画す様子に見えたのは、お国柄もあるのだろうが、日本より状況が深刻ななか、ドッシリと構えているように見えたのは筆者の錯覚ではないようだ。