レースから日本のオイル業界を変える
「ほかにもMoty’sは多くのマシンにオイル供給を行っていて、クラスによっては予選で0w-16、本戦では0w-20のM111やM112を使用しているケースもあります。また、スープラGT4のミッションはレーシング仕様のATですが、そのほかのクラスは基本的に市販車と同様のタイプなので、耐久レースでは低フリクションと高い保護性能が求められます。とくに小排気量のマシンは、ミッションも小型で油量も少ないのに低粘度オイルが指定となっているため、独自の処方による高い保護能力の低粘度オイルが必要。FFはさらにミッション内にLSDも組み込まれているので、高油温でもスムースなシフトを可能としつつLSDの利きも考慮したオイルが求められるのです」

「スーパーGTやスーパーフォーミュラのマシンはレース専用に設計されたマシンで、エンジンもミッションも高品質な素材を高精度で加工したパーツが採用されており、温度コントロールもしっかりしているため、オイルへの負荷は低めなのが特徴といえます。そうしたマシンで求められるオイルは、必要な保護性能はしっかりと担保しながらどこまで抵抗を減らせるか、つまり究極の低フリクション性能を追求したオイル処方なんです。その対極となるのがドリフトマシン。走行時間は短いですが、エンジンやミッションの想定性能を超えるほどの高負荷なので保護性能を検証できるフィールドとなります。2026年もMoty’sカラーのマシンでFDJに参戦するチーム風間とは20年近い関係ですが、ファーストマシンのレクサスLBX MORIZO RRは世界初のSUVベースドリフトマシンとして注目されています。搭載されるパワーユニットはトヨタ2JZです。1000馬力をゆうに超える高出力を支えているのがM114の60番という高粘度タイプ。広めのメタルクリアランスに合わせた油膜の厚さに加え、高負荷を受け止める独自のクッション性能と添加剤処方がMoty’sならではの特徴となっているんです」

「ほかにもMoty’sはワンメークレースや全日本ラリー、ダートトトライアル、ジムカーナ、ドラッグレースなどの多くのマシンで採用されていますが、モータースポーツにかかわるなかで長年の課題として検討し続けていたのが、『日本のモータースポーツをいかに継続していくかということ』です。原油への依存度を抑えるリサイクルの時代には、燃料やタイヤ、ブレーキパッドなどを、これまでのような使い捨てではなく使用済みのものを再利用することで、健全で環境にも優しいものに変革していかなければならないと強く感じています。レースマシンへのRRBOオイルの投入は、そのためにMoty’sが直接的に貢献できる取り組みとして、解析で可能性を確信し開発を進めてきたものなのです。まずは実戦を通じてRRBOの性能を証明することで、RRBO採用メーカーの増加も含めてRRBOの裾野が拡大していくことに期待しています」

2026年シーズンでのRRBOレーシングオイルの投入はあくまでもファーストステップ。次なるステップとしてすべてのカテゴリーでRRBO使用オイルを投入すべく準備を進めている。将来的な理想は回収も含めた日本国内での潤滑油リサイクルシステムの構築。強い決意で難題に向けて歩みはじめたMoty’sの動きに、今後も注目していきたい。