スマホで好みの減衰力に調整ができるお手軽さ
そんなアクトライドが、最初のターゲットとしたのはトヨタ・ハイエース(200系)だ。その狙いについて、カヤバのエンジニアは「ハイエースは荷物を積むクルマとしてだけでなく、キャンピングカーなど幅広い使われ方をしています。さまざまなニーズに合わせ込めるアクトライドの特徴を活かせるクルマと考えました」ということだ。
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いよいよ、アクトライドを装着したハイエースを試乗してみよう。
今回の試乗コースは、クローズドのスラロームや段差越えと市街地走行の2本立て。それぞれ標準状態とアクトライド装着車で比較試乗した。クルマの仕様はもちろん、タイヤについても同じコンディションに合わせてあり、純粋にサスペンションの比較ができる状況となっていた。
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ノーマル状態のハイエースを試乗した印象はけっして悪くなかった。ショックアブソーバーに着目すると、適度に引き締まっているもので、ハンドリングと乗り心地のバランスは商用ワンボックスとしては不満がない。長年、売れているだけのことはあると感じるものだった。
標準状態でのバランスのよさは、アクトライド装着車に試乗したときにも再確認できた。
アクトライドでもっともベース減衰力を柔らかい状態(0)にすると、たしかに乗り心地はフワフワとするが、ハンドリングはダルになる。逆に、ベース減衰をもっともハードな100に設定すると、ハンドリングのキビキビ感は出てくるが、段差の乗り越えなど突き上げは大きくなる。
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聞けば、標準車の減衰力はアクトライドのベース減衰で40あたりの数値に相当するのだという。標準状態がバランスよく感じるのは当然といえる。
ただし、上記はベース減衰の変更だけで乗ったときの話だ。アクトライドの特徴である「ハンドリングコントロール」や「ライドコントロール」を活用すると印象は大きく変わってくる。
ベース減衰を弱めつつ、ハンドリングコントロールを強めに設定すると、基本的には乗り心地を確保しつつ、コーナーでは踏ん張りが利いた走りが味わえる。減速からの操舵でステアリングフィールが重くなる、明確にスポーティ感が増してくるのも気もちいい。
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逆にベース減衰を高めて、スポーティ寄りに振ったときには、ライドコントロールを強めに利かせることで、ハンドリングを優先しながら、舗装の荒れたシチュエーションでは期待以上の乗り心地を実現するというセッティングも可能となっていた。
アクトライドのアプリには、6種類のセッティングを自由にプリセットできる機能もある。ひとりで高速道路を走るとき、家族を乗せるとき、荷物を載せるとき、ワイディングを走るとき……などなど、自分の好みに合わせたセッティングに瞬時に切り替えることが可能だ。もっとも、走行中にスマートフォンを触るのはNG行為なので、セッティング変更は停車して行うことは注意してほしい。
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いずれにしても、自分なりのセッティングを作り込んでいくという行為が楽しめるドライバーであれば、ぜひともサスペンションチューニングの選択肢に入れてほしいのがカヤバの「アクトライド」である。現時点では適応しているのハイエースだけだが、今後は車種ラインアップも拡充する予定というから期待したい。