この記事をまとめると
■新型シトロエンC5エアクロスにフランス・パリ近郊で試乗した
■欧州にはBEVもPHEVもあるが日本には1.2リッターターボと48V MHEVを導入予定
■力強い加速感と上質感ある乗り心地を実現している
シトロエンらしい個性的なディテールも健在
シトロエンといえば、「快適性」。2026年初夏に日本導入が決まった新型C5エアクロスに、パリ近郊で試乗し、その現在地を探ってきた。
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というのも新しいC5エアクロスは、いろいろな意味で新しい。フルモデルチェンジして2世代目となるのに加え、これまでC5Xが担ってきたシトロエンのフラッグシップモデルに位置づけられているのだ。さらに、デザインという点でも、初代の丸っこくて親しみやすい感じ、いわば甘口のSUVルックから、より端正で抑制の効いたクールな意匠へと大きくシフトしてきた。
シトロエンといえば一風変わったディティールやメカニズムが、どこかしらに備わっているものだが、今度のC5エアクロスは前後のランプに注目。
まずリヤコンビランプはカナード翼状にボディから飛び出しており、欧州でも日本でもよく型式認証が得られたという細部だ。サイドとリヤにおける空力の整えは燃費向上、つまりCO2値の削減に大いに効くため、どこのメーカーも余念がないが、ここまで思い切った工夫はなかなか見ない。
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環境負荷を低減するデザインだからこそ、デザイナーとエンジニアは元より、認証機関の協力があって初めて実現できたと、デザインディレクターのピエール・ルクレルク氏は強調していた。いわばデザインのためのデザインではなく、理由があってやっている意匠なのだ。
一方、フロントヘッドライトはLEDマトリックスを採用。周囲の他車を幻惑させることなく、夜間ドライブ時もドライバーの視界を可能な限り保つという考え方は、そもそも1950年代からシトロエンDSがステアリング操舵連動型のヘッドライトで実現していたこと。シトロエンには、まさしく正常進化版といえる装備だ。
また、インテリアではフラットな広がり感を強調したダッシュボードに注目。13インチの縦型タッチスクリーンを採用したことで、さらに広々して見える。ステランティスグループとして最大級のこのスクリーンはフローティングマウントで、その下のドリンクホルダーや小物入れを隠して配する作りだ。SUVながら、収納アイテムで車内を視覚的にガチャつかせない、そんな細かな気遣いにもフラッグシップの矜持を感じられる。
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注目はパワートレインで、欧州ではBEVもPHEVも、はたまた南米向けなどには純ガソリンICEもあるが、日本に導入されるのは当面、1.2リッターターボと48V駆動によるMHEVのみ。ICEのスペックは230Nmと136馬力、システム合計では145馬力とされる。電気モーターのアシストは最大16kW(約20馬力)と51Nmで、ICEの最大トルク&出力と純粋に合計する制御ではない。