健全な職場と安定した収入……だが業務内容はけっこう大変! 高速の「有人料金ゲート」で働くみなさまに敬礼!!

この記事をまとめると

■高速道路の入口などに設けられた一般レーンには有人ゲートがある

■スタッフが原則「一昼夜交代勤務」体制で勤務して支払いやトラブルに対応している

■最大70歳まで勤務できてそれ以降もパートという雇用形態で仕事をすることができる

料金所の小屋のなかではどんな仕事をしている?

 高速道路を走る際、多くの(ほとんどの?)ドライバーがETCゲートをノンストップで通り過ぎていく現代。だがその脇にある有人ブースや管理棟には、いまもなお24時間体制で「門番」たちが控えている。

「料金所スタッフの仕事は安定している」という噂は本当なのか? というかETCの利用率が全国で95%を超えているいま、彼らスタッフは具体的にはどんな仕事をしているのだろうか?

 知られざる高速道路料金所スタッフの業務実態と待遇について、調査してみることにしよう。

「ただ座って通行券や料金を受け取っているだけ」と思われがちな料金所スタッフの仕事ではあるが、実際には、機械では対応しきれないトラブル対応と監視をはじめとする、下記のようなさまざまな業務を行っている。

●通行料金の収受・精算:ETCを利用しない一般車両の料金収受。現金、クレジットカード、回数券などへの対応

●ETCエラー対応:カードの挿入忘れや有効期限切れ、通信エラーなどで開かなかったバーへの対応。インターホンを通じてドライバーと話し、迅速に処理を行う

●車種判別と確認:大型車や軽自動車などが正しく判別されているかを監視し、必要に応じて修正する

●道路情報の提供と案内:事故や渋滞の状況、目的地までのルート案内など、ドライバーからの問い合わせに答える

 そしてこの仕事の最大の特徴は、独特な勤務サイクルにあるだろう。基本は「一昼夜交代勤務」だ。

●当番(8:30〜翌9:00):実働15.5時間。ブースでの収受業務や管理室での監視業務を、交代で行う

●休憩・仮眠:約24時間となる拘束時間のなかに、休憩5時間と仮眠4時間がしっかり組み込まれている

●明け休み:翌朝9時に業務終了。その日は丸1日自由時間となる

●公休:休み明けの翌日は完全な休日となる。つまり「1日働いて2日休む」に近い感覚で、月の出勤日数は11日程度となる場合が多い

 料金所スタッフの仕事が「確実に安定して稼げる」と噂される理由は、その給与体系と運営母体の堅実さにある。給与相場は、地域にもよるが月給は20万〜25万円前後で、年収ベースでは、手当と賞与を含む300万〜400万円程度が一般的。そして多くがNEXCOグループの関連会社による運営のため、各種保険や手当、退職金制度などが普通に充実している。

 雇用形態は、当初は契約社員としてスタートするケースが多いが、正社員登用試験を経てステップアップする道が確立されている。そしてスタッフから始まり、班長(チーフ)、副所長、所長といった管理職への道も存在しているようだ。

 料金所スタッフの仕事に特別な資格は必要ない。だが「誠実さ」と「強靭な自己管理能力」は求められる。夏は暑く、冬は寒いブース内での作業。排ガスや騒音、そしてなにより、1日働いて2日休むという不規則な生活リズムのなかでも高い集中力を維持できるかどうかが、この職種に就くうえでの鍵となるだろう。その代わり、一度リズムを掴めば、定年後の再雇用制度を利用して最大70歳まで勤務可能で、70歳以降も、パート職員として活躍する人が多いという。

 ちなみに有給取得平均日数は、NEXCO東日本グループの一員として関東地区の料金管理業務を行っている株式会社ネクスコ・トール関東の場合で18.2日とのことだ。

 さて、ここまでは実務的な話を詰め込んできたが、最後に少しだけ筆者の個人的な所感を。

 正直申し上げて、私はいますぐこの職に就きたいとは思っていない。だが、私がさらに歳を重ね、70歳あるいはそれ以上の年齢まで現役で社会とつながり、安定した糧を得たいと考えたとき、この「料金所の門番」という選択肢は、私のなかでさんぜんと輝く「就きたい職業」へと変わるかもしれない。

 その日のために、いまからスクワットをして足腰を鍛え、深夜の静寂に耐えうる精神力も養っておかなければならないだろう──と、有人ゲートで職務に励んでおられるスタッフ各位の姿を見るたびに、本気で考えているのだ。


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伊達軍曹 DATE GUNSO

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