ちょっと延長したバンパーだけで300万円アップ! 日産のGTファン以外には価値ナシのフェアレディZ Type Eという激レア車 (2/2ページ)

売れなすぎて幻の1台に

 なお、この「Type E」は、前述の前後バンパーの変更のほかサイドフィニッシャーの追加。車内はオーディオレスで、ミッションは6速MTオンリーの男気仕様。ボディカラーはダイヤモンドシルバー1色のみしか選べなかった。売れる売れないではなく、世に出すことを使命とした異色のモデル。

 気になる価格は衝撃的で、前後バンパーの変更がメインでほかは小変更程度だったにもかかわらず、なんと650万円というプライスを掲げていた。いまの新車相場からしたら「そんなもんか」かもしれないが、2004年当時のベースとなったバージョンSは346万5000円であった。エンジンも含め機関部はなにも手が入っていないのに+300万円、しかもカーボン製パーツなどではないのだから、これはかなり気合いの入った価格だ。

 そしてこの「Type E」、いわずもがなほとんど売れず、1カ月でなんと7台程度しか売れなかったそう。全日本GT選手権のホモロゲモデルとして世に出たことにこそ意味のある1台だった。そしてこの「Type E」がホモロゲーションを獲得した全日本GT選手権は、翌2005年より現在の名称であるSUPER GTに変更されている。

 最後に面白い話をひとつ。じつはこの「Type E」が設定された同じタイミングで、オーテックジャパン(現NMC)より「フェアレディZ S-tune GT」というモデルも同時に設定されていた。「Type E」のエクステリアはそのままに、こちらは”S-tune”の名が示すとおり、エンジンはカムシャフト、バルブスプリング、コンロッドボルト、エンジンコントロールモジュール(ECM)などを交換し、300馬力を誇るS1エンジンを搭載。

 エキゾーストシステムには、スポーツキャタライザーとロングテールタイプの専用ヴェルディナマフラーを採用したほか、サスペンションはS-tune。ブレーキは大径ディスクローターにブレンボのキャリパー、S-tuneブレーキパッド、前後に19インチの鍛造ホイール(LM-GT4)などを装備している、最初からライトチューニングが施された仕様だ。さらに「Type E」とは異なり、角度調整式のリヤウイングまで装備する。また、インテリアにもセミバケットシートやフルスケールメーターも装備。サーキットも日常使いもできるメーカー謹製のコンプリートカーだった。

 で、気になる価格だが、この「フェアレディZ S-tune GT」、なんと650万円で販売されていた。「?」とならない人はいないのではないだろうか。こうしてみると、「Type E」が7台しか売れなかったことも理解できる。この7人には「なぜType Eを買ったのか」と問いたいほど。「フェアレディZ S-tune GT」もレアモノではあるが、「Type E」以上の数が世に出たようだ。同じ予算があれば、いわずもがな当然こちらを選ぶだろう。

 なお、個人的な体験として、5年ほど前に某オークションサイトでこの「Type E」が即決300万円程度で販売されていた。レーシングカーを公道で乗りたいひとりとしては、当時は経済事情で手が出なかったが、レア度を考慮しても、「無理して買ってもよかったなぁ」と、街でZ33を見かけると思い返す。もちろん、同じ値段でS-tune GTをぶら下げられたらそちらに飛びつくが……。

 もし熱烈なSUPER GTファンの方で、「レーシングカーに乗りたい!」と考えているなら、この7台しかないといわれている「Type E」、もしくは「S-tune GT」、ぜひ即決で判子を押して頂きたい。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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