この記事をまとめると
■新型CクラスがBEVとして満を持して登場した
■高性能と先進技術で新たな価値を提示
■BMWとの航続距離競争が大きな焦点となる
電動Dセグメントサルーン対決がゲームオン
いまやメルセデス・ベンツの屋台骨であり、プレミアム・コンパクト・サルーンの代名詞でもあるCクラスに、ついに完全新型の電動モデルが登場した。2026年4月20日に正式発表された電動Cクラスは、94kWhバッテリーを搭載し、最大航続距離762km(WLTPモード)を謳う、Cクラス初のBEVとなる。
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最上位グレード「C 400 4MATIC」は前後にモーターを配置した4WD仕様で、最高出力490馬力、0-100km/h加速4.0秒という数字を叩き出す。メルセデスはこのクルマを「Sクラスに匹敵する乗り心地」と「史上もっともスポーティなCクラス」と形容する。
サスペンションは路面状況に応じて減衰力を自動調整するノーマル仕様と、エアサスペンションから選択可能。回生ブレーキは最大300kWにも達し、ブレーキペダルを踏まずとも回生ブレーキのみで停車を可能にしているという。リヤアクスルに搭載されるモーターには2速トランスミッションが新採用され、ダイナミクスと電費を両立。さらにフロントにもモーターを備える四輪駆動モデルでは、フロントモーターの駆動力を必要としない低負荷時には積極的に切り離すDCU(ディスコネクトユニット)を採用し、航続距離の延長を図っている。
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電動化に伴っては、最新のテクノロジーが投入される。800Vアーキテクチャを採用したことで、330kWの急速充電器があれば、わずか10分で325kmぶんの航続距離を補充できる。27個のセンサーとカメラを搭載し、SクラスとEQSから移植した3D拡張現実ナビゲーションも備える。
インテリアでひときわ目を引くのが、オプション設定の「MBUXハイパースクリーン」だ。バックライトと1000個以上のLEDを備え、キャビン全幅にわたる39.1インチというCクラス史上最大のサイズを誇る超大型ディスプレイである。さらに、ChatGPT-4o、マイクロソフトBing、Google Geminiという3つのAIモデルを「マルチエージェント・アプローチ」で搭載する。
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エクステリアは先に登場したGLCエレクトリックを流麗化したようなクーペ風シルエットと、新意匠のテールランプが特徴。新デザインのグリルには1050個の発光ドットが埋め込まれており、 とくに夜間では強烈な存在感を示す。
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電動Cクラスを語るうえで避けて通れないのが、先行してデビューした新型電動3シリーズであるBMW i3との比較だろう。Cクラスと3シリーズはいうまでもなく因縁のライバルで、今回奇しくもほぼ同一のタイミングで電動化を伴うフルモデルチェンジを行ったために、まさにガチンコ対決といった様相を呈している。
i3はiX3と同プラットフォームを使用した電動セダンで、航続距離は電動Cクラスの762kmに対して約900kmに達するとされる。その差は歴然であり、バッテリー容量もBMWのほうが大きく、この点ではCクラスを突き放す。メルセデスもそれを認識しており、来年に発表予定の新バリエーションでは800km級の航続距離を目指すとしている。それでもなおBMWに届かないが、このセグメントの水準として十分すぎる数字であることは確かだ。
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一方、800Vによる圧倒的な急速充電速度や搭載技術の豊富さといった点ではCクラスが優位に立ちうる。賽は投げられた。電動Dセグメントサルーンの頂上決戦に注目していきたい。