メーカー品質を維持したスペシャルなキット
なお、このキットはかなり複雑で、素人が気軽に取り付けられるような簡易的なモノではなかったことから、販売方法はかなり特殊であった。
まず、購入できる店舗は「オートテラス城北」「オートテラス鈴鹿東」「オートテラス筑紫野」の3店舗のみとなっていて、架装はホンダの中古車を手がけるホンダユーテックが担当。社内基準に適合した良質な中古車をベースとしたコンプリートカー、もしくはいま所有しているS660を商談後にホンダユーテックに預け、架装してもらうかの2択であった。最初の100台分までのオーダーに限り、シリアルプレートもついていた。
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また、最初の「S660ネオクラシックコンセプト」のときは軽自動車の枠から飛び出ていたそうだが、製品版では軽の寸法にキッチリ収まっているところはメーカーのプライドか。ボディの加工も不要でボルトオンで装着でき、車検証の記載変更も必要なかった。素材もFRPを主としつつもチリがピッタリ合うように「L-RTM」という手法を用いて作られた高精度な樹脂製バンパーを備える。保証も3年間6万kmと品質もお墨付き。
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さて、そんなメーカーのプライドと自信が詰まった「S660 ネオクラシック」であるが、当時キットの販売価格は132万円であった。これには取り付け費や塗装費は含まれていなかったので、さらに工賃がおおよそ80万円ないし90万円ほど追加でかかったといわれている。
新車で組み付けると400万円かそれ以上になる、超プレミアムな軽自動車であった。なお、エンジンなどの走りに関するカ所はノータッチであったほか、モデューロXは非対応だった。
現在この「S660ネオクラシック」は、中古車市場で同程度のS660と比較して2倍ほどのプライスを掲げていることも珍しくない。販売は2021年5月に終了しているので、何台世に出たか不明だが、激レアなのは間違いないだろう(記事執筆時点では520万円の個体が販売されている)。
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最後に余談だが、この「S660 ネオクラシック」をベースにした「S660 ネオクラシックレーサー」というモデルも2019年の東京オートサロンで展示された。こちらは「S660 ネオクラシック」をベースにボディなどを拡大し、サーキット専用車を想定して作られたモデル(もちろん軽自動車の枠ではない)。実車は市販されなかったが、ミニカーやラジオコントロールカーを扱う京商より、ミニッツというR/Cカーでモデル化されていた。
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かなり値は張るかもしれないが、「クラシックカーに乗りたいけど故障が心配」という人にとって、うってつけの1台ではないだろうか。