この記事をまとめると
■クルマのライトは安全性向上のため進化を続けている
■用途別に多様な補助灯や新技術を投入したライトが存在する
■先進技術で視認性と制御性はひと昔前よりも大幅に向上した
クルマのライトはここまで進化した
ひと昔前のクルマのヘッドライトは、ロービームとハイビームの切り替えだけのシンプルなものだったが、2020年4月からオートライトが義務化されて以降、ライト関係の進化が続き、いまではけっこう複雑なシステムになってきている。なかには聞きなれない機構や用語もあるので、それらをここで整理しておこう。
DRL
DRLは「デイタイム・ランニング・ライト」の略。昼間走行時に点灯し、対向車や歩行者からの視認性を高めて事故を防ぐ「昼間走行灯」、いわゆるデイライトのことだ。国内では2016年に正式に認可され、エンジン始動時に自動で点灯する。
EUでは2011年2月から新車への装着が義務化されていて、輸入車を中心に安全性向上とデザイン性を兼ね備えた機能として普及してきた。省電力のLEDを使ったものがほとんどで、色は白色、明るさは1440cd以下など、明るさや取り付け位置などが細かく定められている。また、ヘッドライト点灯時は消灯もしくは減光が必要なケースもある。
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コーナリングランプ
コーナリングランプとは、夜間の低速走行時に、ウインカーやステアリング操作と連動して車両前側方を照らし、旋回時の視界を確保し、歩行者や障害物の視認性を高めるための補助灯のこと。保安基準では「側方照射灯」と呼ばれている。光度5000カンデラ以下、色はホワイトといった基準がある。
マトリクスLEDヘッドライト
マトリクスLEDヘッドライトは、ロービームとマトリクスハイビームで構成されたヘッドライト。他社に先立ちマトリクスLEDヘッドライトを導入したアウディの場合、「対向車や前方車にはハイビームを当てず、自動的にロービームに切り替わる」「進む(曲がる)方向に合わせて、ヘッドライトの方向が変更される」「クルマの走る範囲にいる人を感知し、ライトが3回点滅する」といった特徴がある。
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ドライビングランプ
ドライビングランプは、ハイビームと連動して点灯し、主に夜間の高速走行時などにより遠くを照射して視界を確保するための補助灯のこと。照射範囲はフォグランプよりも狭く、スポットランプより広い。
スポットランプ
スポットランプは、特定の狭い範囲を集中して強く照らす補助灯のこと。通常のヘッドライト(ハイビーム)では届かない範囲(200m〜900m以上)を照射する。夜間作業、オフロード、アウトドアなどで活用するLEDワークライト(作業灯)のタイプもある。
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レーザービームヘッドライト
なんだか光学兵器のような名称だが、これはレーザーダイオードを利用して、LEDの約2倍となる最長600m超の遠方照射を可能とする次世代ヘッドライトのこと。BMWのレーザービームヘッドライトは、時速約70km以上で自動点灯し、対向車を避けるインテリジェント制御も備えている。
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そのほか
サイドマーカーは、フェンダーや荷台に取り付け、夜間や右左折時に車両の存在や進行方向を周囲に知らせるランプのこと。
ポジションランプは、ヘッドライトの外側に位置し、周囲にクルマの存在や幅を知らせる小型のランプなので、スモールランプ、車幅灯、クリアランスランプとも呼ばれている。新技術でいえば、高画質、薄型・軽量で、曲面デザインの自由度が高く、ディスプレイやテールランプに採用されつつあるOLED(有機EL)などにも注目だ。