誰でもウェルカム! トヨタはEV業界も盛り上げる
「TEEMO」の担当者に聞くと、「月に500km程度の移動しかしない人であれば、ガソリン車と比較してかなり安く乗ることができます。何%から充電を始めたかにもよりますが、1回の充電が80円×30分=2400円程度ですかね(TEEMO会員の場合)。しかもトヨタのEVを買うと充電が1年間無料なので、最初のランニングコストはほぼゼロです。さらにEVは税金も優遇されてますからね。お得ですよ。おかげさまで集合住宅にお住まいの人も弊社のEVを選び始めています」と語る。
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さらにこの「TEEMO」が優れている点として、日本最大の充電インフラを抱えるeモビリティパワーの充電器との連携がある。全国に急速・普通充電器を約2万2000口有しており、それも「TEEMO会員(ライト含む)」は使うことができる。こちらは統一で1分80円とのことで、充電器の出力次第では割高になる場合もあるようだ。
そして「TEEMO」におけるもうひとつのメリットが、”トヨタのサービス”という点だ。つまりどういうことか。そう、この「TEEMO」の充電器は全国のトヨタディーラーに順次配備される計画があるというところがミソ。トヨタのディーラーは全国に約4300店舗ある。2位は日産だが、こちらはその約半分しかなく、トヨタは圧倒的である。日産ディーラーの多くにも急速充電器があり、日本で充電文化を広めた功績は非常に大きいが、そこにさらに業界最大手のトヨタが加勢する形だ。
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しかも、トヨタ自動車本社側としては、各ディーラーに150kWの急速充電器を配備するようお願いしているという。いろいろな条件で無理な店舗もあるそうだが、なるべくそれに沿うように各店舗動いているとのこと。さらに、ディーラーの営業時間外の時間でも充電できるよう要請しているようで、ユーザーフレンドリーな仕組みになるよう取り組んでいると担当者は語る。
2025年の段階で、全国のトヨタディーラーに「TEEMO」の充電器は480店舗に配備されているが、2026年度中に650店舗に増やす計画で、そのあとはより加速させる予定だという。目標は全店舗に配備だというが、さすがにすぐには難しいだろう。充電器の設置費用はディーラーが負担しつつ、国の補助金とトヨタ自動車側の補助によって賄っている仕組みだ。
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「TEEMO」の担当者は、「EVを検討している人は増えているのですが、やはり皆さん充電関連のあれこれを気にされています。たとえば『充電器ってそもそもどこにあるの?』『24時間使えるの?』『いくらするの? 安いの?』みたいな。しかしこの『TEEMO』であれば、基本料0円で料金も従量課金制。しかも我々トヨタのディーラーは幹線道路を中心にそこら中にある強みがあります。トヨタを見つけたら充電できる……そんな環境にしていきたいですね」と、「TEEMO」のビジョンを説明してくれた。
トヨタの各ディーラーでも実際にEVを検討する人が増えたと語る。その多くはやはり、2025年10月のbZ4Xのマイナーチェンジがきっかけだ。ここ半年ほどで、この日のプレゼンに訪れていたディーラースタッフ3名とも、「半年で30台ほど売れてます。マイナーチェンジ前では……ちょっといえないくらいの台数でした(笑)」と語っており、EVに対する感度が最近上がってきているのを、販売現場で実感しているそうだ。「EVの魅力は乗らないとわからない」ということで、ほぼ全店舗にbZ4Xを配備しているところも、トヨタの強みだ。
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また、トヨタディーラー各店舗のおもに副店長が、「マルチパスウェイスペシャリスト」という社内資格を有しており、他メーカーのEVを含む最新車種にサーキットなどで試乗して、最新の市場状況を把握する取り組みも進めている。トヨタ車を検討している人のライフスタイルにあう、最適な車種を提案できるスタッフが在籍しているのもメリットだ。
また、補助金の影響(とくに東京都)もあってか、ヤリスクロスなどのコンパクトカーを検討していた人が、bZ4Xを購入するケースも増えているようだ。支払い内容によっては、1〜2クラス下のクルマを買うのと金額がほぼ同じかむしろ安いくらいだという。
最後に「TEEMO」の担当者は、「我々としては、これからさらにラインアップされていくトヨタのEVとこの『TEEMO』をセットで普及させて、マルチパスウェイの取り組みのもと、よりEV市場も活発にさせていきたいと考えています。また、『TEEMO』は他社メーカーにお乗りの人も利用できるので、トヨタ車以外の人にも積極的に使っていただきたいです。そしてどんどんトヨタの各店舗を訪れてください。たとえ他社メーカーにお乗りでも、そこで新しい繋がりができて、いつかトヨタ車を選んでくれる未来が来てくれたら嬉しいですね。充電中に飲み物を飲むだけでもウェルカムなので、トヨタ車ユーザー以外の皆さんも利用してください」と話した。
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とはいえ、150kW充電器を基本として全国の店舗に順次拡大していくのは、まだまだ課題があるし、EVの置かれている環境は日々変化しており、今後世界のEVに対する見方がどう変化するか読み切れない部分もある。いくらトヨタといえど限界があるだろう。しかし、マルチパスウェイの考えのもと、充電インフラを整えるというやる気は本物だ。
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「え、お前まだ『TEEMO』使ってないの?」、そんな会話が生まれる日がやってくるかもしれない。まさに充電界のゲームチェンジャーになるかもしれないサービスといえよう。今後の展開に注目だ。