この記事をまとめると
■ダークホースとGTDの間を埋める新たな高性能モデルが登場
■5.2リッターV8スーパーチャージャーで795馬力を発揮
■往年のシェルビーGT500に代わる存在として期待を集める
穴を埋める絶妙な立ち位置
2024年にデビューした現行マスタングは、そのモデルラインの頂点に「GTD」を置いている。V8スーパーチャージャーエンジンは5.2リッターという排気量から815馬力を絞り出し、その仕立てはもはや公道を走れるレーシングカーといった立ち位置のモデルだ。そしてそれに次ぐ高性能モデルは、500馬力を発揮する5リッターV8自然吸気のスポーツモデル「ダークホース」となっていた。
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500馬力もあれば十分どころか十二分……といいたくなるが、昨今のスポーツモデルで過熱するパワーウォーズのなかでは、いまひとつ目立たない数字であることもまた事実。すなわち、この手のモデルを好むユーザーの「超弩級の走りを身近に」という需要に応える選択肢がなかったわけだ。
その空白地帯を埋めるべく2026年1月のデトロイトモーターショーで登場したのが、「マスタング ダークホースSC」。SCとはもちろんスーパーチャージャーを意味するサフィックスであり、搭載されるGTD譲りの5.2リッターV8スーパーチャージャーは795馬力を発揮し、7速DCTを介して後輪を駆動する。
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かつてのマスタングでいえば、NA仕様のシェルビーGT350に対してスーパーチャージャーのシェルビーGT500が存在したように、NAのダークホースに対するスーパーチャージャー仕様がダークホースSCという構図となる。じつは5.2リッターという排気量も、旧シェルビーGT500と同一。現行マスタングにはシェルビーシリーズが設定されないが、その役割はダークホースが担うのかもしれない。
ダークホースSCの開発にあたって、フォード・レーシングのエンジニアは、マスタングGT3やGTDをベンチマークとしてサーキットにて徹底的にテストを行い、その成果は随所に体現されている。
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ブレーキはフロント6ピストン・リヤ4ピストンのブレンボ製を標準装備。足まわりには、ダンパーはもちろんアーム類やナックルなどにも専用品が奢られる。トラクションコントロールは「ESC完全解除」を含む5段階の調整が可能な可変式で、これもGTDで開発された技術の水平展開だ。
さらに、より過激な走りを求めるユーザー向けに設定される「トラックパック」では、GTDと共通のカーボンセラミックブレーキを装着。カーボンファイバーホイール、リヤシート撤去といったメニューを含むトラックパック装着による車重削減効果は約68kgに達し、180mph時のリヤダウンフォースは620ポンドという数字をマークする。
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エクステリアは、ワイドボディに巨大な各部スポイラーがレーシングカーそのものといった出で立ちだったマスタングGTDよりは、かなり大人しいフィニッシュとなっている。とはいえそのビジュアルが攻撃的であることには変わりなく、専用デザインのエアロパーツとカーボンファイバー製ウイングを装着する。
インテリアでは、フラットボトムステアリングホイールを採用するほか、アルカンターラとカーボンファイバー素材を多用。エクステリア同様、ハイパフォーマンスを声高に主張しすぎない仕立てとなっている。
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日本への導入についてはアナウンスされていないが、かつてのシェルビーGT500が果たした役割を現代に引き継ぐこのクルマが、アメリカンマッスルファンの心を揺さぶることは間違いないだろう。