最初は木や鉄だったクルマの構成材はアルミそしてカーボンへ! クルマの進化と素材の進化をまとめてみた (2/2ページ)

ドライカーボンとウエットカーボンの違いとは

 少し横道にそれるが、C-FRPが構造材として使われるよく知られた例としては、航空機の例を挙げてもよいだろうか。総2階建て、800人を収容するエアバス社の超大型旅客機A380では、垂直尾翼を支えるストリンガーや客室の床を支えるクロスビームとして、ボーイング社の最新傑作機B787では、機体構成部品の50%(重量比)にC-FRP製が用いられている。主要構造材に従来の非鉄系金属素材を使用すると、重量が重くなりすぎ新時代の航空機に求められる性能が満たせないからだ。

 こうした軽量、高強度、高剛性の特徴を生かしたC-FRP製構造部材はどうやって作られるのだろうか?

 一般的な手法としては、成形されたプリプレグ材(炭素繊維に樹脂が含浸された状態の素材、樹脂は熱硬化型)をオートクレーブ(圧力容器=焼き釜と考えてもよい)の窯に入れ、加圧、加熱、真空引きを行うことで作られている。この手法で作られたカーボン製品は「ドライカーボン」と呼ばれ、硬度が高く、薄くて軽い(=軽量・高剛性・高強度)仕上がりとなっている。

 一方、G-FRPと同じ手法で作られるカーボン製品もある。簡単にいえば、常温、常圧化で樹脂を染み込ませたカーボン繊維を型に何層かにして重ね、樹脂を塗り込み、乾燥して樹脂が硬化してから離型する手法だ。オートクレーブを使うドライカーボンに対し、こうした工程で作られるため「ウエットカーボン」と呼ばれている。

 ウエットカーボンは、ドライカーボンに対して樹脂の含有率が高く、重量的にはG-FRPと大差はないが、織り込まれたカーボン繊維が見えるため、とくに綾織り(構造材に使われるカーボン繊維は平織り)したウエットカーボン製品は、見た目にハイテク感があり、装飾感を重視したパーツとして好んで選ばれている。

 両者の使いわけを簡単にいうなら、構造材として使うなら単価は高いがドライカーボン製、廉価に樹脂繊維の利点を生かした製品として使うならウエットカーボン製という選択肢になるだろうか。ひと口にカーボン製品といっても、使用目的や用途によって製法は異なり、その特徴や製品価格に大きな開きがあることを覚えておきたい。


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