ウエット路面でも接地感を確保
旋回路のもっとも内側の円は「ベルジャンロード」と呼ばれるブロックを敷き詰めた石畳路で、これに散水してウエット路面にすると、ツルッと足もとをすくわれたようによく滑る。
聞けば、積雪路をスタッドレスタイヤで走行するレベルの摩擦係数だという。ただし、石畳なので隙間による角とひとつひとつの石の形状による凹凸変化で接地面は平らではない。つまり、接地変化があり、それも含めて滑り出しの限界は早く訪れる。
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ECOPIAで円旋回を続けると、29km/hで円を維持しにくくなり、30km/hで外にはらむ。外にはらみ始めたときのアクセルを戻す操作で、場合によるとリヤが滑り出すこともある。つまり前後ともに滑るのである。
一方、FINESSAの2万km・2mm摩耗品は、限界を迎える速度自体は31km/hとほぼ同レベル。しかし、グリップを失って外にはらんだあとにグリップ回復の仕方と早さが違う。
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FINESSAはハンドルの切り始めから接地感があり素直に曲がる。接地感に乏しいECOPIAとの最大の違いはこの感触と、グリップを失ったあとにアクセルを戻すとグリップが回復する懐の深さだ。操縦ミスに対して寛容に受け止めてくれる。新品と2万km摩耗品だと思うと基準の違いが明確だ。
ウエットハンドリング路は2台のシエンタに新品同士を装着しての比較。まずはトラコンをOFFにしてフル加速。ECOPIAがしばらく空転しながら加速するのに対して、FINESSAは一瞬の空転から即加速状態に移る。「60km/hくらいで確認してください」。ということだが、それでは違いが掴みにくいので滑る限界まで試すと、80km/hがわかりやすいと判明。
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ECOPIAは確かに60km/hからグリップ限界を感じて、前輪が滑り出して実際アンダーステアになる。さらに速度を上げると、コーナーでは前後が滑るのだが、それは滑ることを承知の上でアクセルを踏み続けているから。一般公道でこの状況が起きたら即アクセルを戻すかブレーキを踏む。優れているのは、その滑り始めが穏やかで、ソコをドライバーにステアリングを通して伝えてくれる点だ。
FINESSAはステアリングを切ったと同時、応答に遅れがない。つまり、路面を掴んでいる手応えがあるので、速度は80km/hまで加速してコーナリングしてブレーキングしても操作に忠実に動く。この路面を捉えた安心感がウエットに強い所以である。
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もちろんこれはテストコースだから敢えて限界を越えて試したが、ウエット路は確実にこの速度まで行けるという意味ではない。あくまでも現実の状況に応じた運転、操縦が必要で、グリップから滑り出す限界を、ドライバーはもちろん乗員にもわかりやすく伝えてくれることもタイヤとして大事な性能だと、いろいろな路面を体感すると改めてそう思う。
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FINESSAは14インチから19インチまで、偏平率と幅も含めて全55サイズが用意されている。