メーカーとドライバーの執念に脱帽
長時間ドリフト世界記録
GT-Rがドリフト最高速なら、BMW M5は8時間におよぶ長時間連続ドリフトで世界記録を樹立しました。その距離はなんと374.2kmに及んだといいますから、ドライバーはもとより、サポートチームは血のにじむような努力をしたものかと。
2017年、サウスカロライナ州のBMWパフォーマンスセンターを舞台に、レーシングドライバーでありBMWドライビングインストラクターのヨハン・シュワルツがハンドルを任されました。もっとも、シュワルツにとっては2度目の挑戦であり、2013年には82.5kmの記録を樹立していたのです。後年、他社によって記録が塗り替えられたことで、シュワルツにとっては雪辱戦となったのでした。
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ギネス記録の樹立に選ばれたクルマはM5(F90)のMxDrive、四輪駆動モデル。4.4リッターのV8 DOHCにM社によるツインターボを搭載し、600馬力/5600-6700rpm、750Nm/1800-5600rpm(ベースグレード)を発揮する紛れもないスポーツセダンの雄。ですが、このパワーゆえに実燃費は街乗りレベルでリッター5km程度だとか。すると、90リットルの燃料タンク、パワースライドによる燃料消費を考慮すると「途中で燃料給油しなければ断トツの記録は無理」となってしまったのです。
ところが、BMWのエンジニアたちは航空機の空中給油に似た給油リグを開発。ドリフト車に並走しながら、給油要員が窓から身を乗り出すというアクロバティックな給油に成功し、見事な記録を樹立したのでした。なお、この際「水面に覆われたトラック上での最長の双車ドリフト」という記録も樹立したとのこと。BMWのド根性を見せつけるチャレンジといったところでしょう。
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EV氷上最長ドリフト記録
ドリフトといえばポルシェも黙っていません。2025年にスポーティEVの横綱、ポルシェ・タイカンによる氷上での最長ドリフト記録を樹立しているのです。じつは、こちらも2度目の挑戦で、以前は14.809kmという記録を出したものの「ドリフトするタイカンの極端な連続荷重の下で、氷のトラックは予想以上に早く劣化した」とのことで、記録途中で中止せざるを得なかったのだとか。
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そこで、チームはスパイクタイヤのスパイクを短いものへと変更し、また気温が下がりはじめて氷のコンディションが増す夕暮れ時を狙って再チャレンジ。ハンドルを握ったのは前回に続いてポルシェ・エクスペリエンスでインストラクターを務めるイエンス・リヒターで、タイカンのパワー、スパイクタイヤのトラクション、さらには氷上の走りを熟知した人物です。
コースはフィンランドにあるポルシェ北極センターの氷上トラックで、全長59mのサークルコースが作られました。ここを46分間、ドリフトで132周して17.503kmのギネス記録を樹立。記録もさることながら、ポルシェは北極にまでテストコースを設けているのかと、世界中が驚いたニュースとなったのでした。
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