中国車だけ「ローン審査」がゆるい! バンコクで売れる中華ブランドに潜む危うさ (2/2ページ)

中国系ブランドは誰でも買いやすい

 このような背景もあり、最近では与信審査に時間を要するようになり、商談当日に結果が出なくなったため、与信結果を待たずに予約受注として販売実績にカウントしているというのである。つまり、ショー会場を訪れ、あとはローンの与信結果次第として商談をまとめ上げ、販売実績としていったんカウントするものの、結果的にローン審査が通らないなどの理由で、正式受注としてカウントできる台数は減ってしまう傾向にあると事情通は語ってくれた。

 このようななか、あくまで噂話として現地で聞くのは、中国系ブランドなら審査を緩めますよと、ローン申請段階で中国系(とくにBEV)ブランドの購入をすすめられることがあるという話である。中国系ブランドがファイナンス会社に根まわししていることによる動きともされるが、真偽は定かではない。ただこれが信ぴょう性の高い話ならば、本来審査の通らない人にも融資が行われている可能性も高く、支払い不能となる債務者が発生しやすい状況となり、ある意味タイではオートローンのサブプライム化が進むのではないかとまでいわれている。

 2025年末にバンコクで開催されたオートエキスポのときよりはややトーンダウンしているように見えたが、ショー開催期間中の中国ブランドの、値引きも含む購入特典は半端ない状況が続いている。「果たして利益が出ているのか?」と、会場を訪れた日本人の多くが感じている。

 とくにお手頃価格となる中国系ブランドのBEVについては、たとえばトヨタ・カローラクロスやホンダHR-V(日本でのヴェゼルに相当)といったHEV(ハイブリッド車)の購入を検討していた人が、半端ない購入特典などもあり、それより安く買えるとのことで中国系の同クラスBEVを購入したり、本来新車購入の厳しい層がコンパクトな中国系BEVを購入するなど、よりお買い得に新車を買いたいなら中国系BEVというのは、タイでは広くよく聞く話となっている。審査が厳格な日系ブランド車の購入を諦め、中国系ブランドへ流れていくといったケースもあるかもしれない。

 このような中国系の動きの影響を、日系ブランドだけでなく、ドイツ系高級ブランドあたりまで被っているように見える。タイの新車販売市場は決して良好とはいえない現状なので、日系や欧州系などでもある程度の購入特典は用意するのだが、その内容を見ると、中国系がやや度を超えた特典で販売促進活動を進めているため、それを無視することができないといった印象を会場内で筆者は感じた。

 売り方も含め、タイにおいて中国系ブランドは台風の目のような存在に筆者には映っている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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