デビュー当時からその存在感は圧巻
当時の筆者の試乗リポートを要約すると、「サイズからは想像もできないほど乗用車的、いや、高級サルーンに匹敵するドライブフィール、乗り心地が魅力で、爽快な見下ろし感覚のドライビングポジションながら、滑らかなステアリングフィール、快適無比な乗り心地、巡航時の車内の静かさなど、さすがにLLクラスのプレミアムミニバンだけのことはある。しかも、V6、直4エンジン、駆動方式を問わず、巨体を走らせていることを忘れさせてくれるほどの軽快で安心感あるフットワークを披露し、カーブ、山道でもドライバーの意思通りのラインに乗せることができ、その際の挙動もじつに穏やか。そうしたシーンでフワフワとした大きめのロールを伴いがちな2代目エルグランドより遥かに走りの安心感がある」。
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「車格にあうのはV6のほうで、フル乗車をしても余裕の加速力と上質感たっぷりの乗り心地を示し、車内の静かさも一枚上手。直4モデルは4名乗車ぐらいであれば加速力に不満はないが、エンジンを高回転までまわすシーンでは車内が一気に騒々しくなる」。
「やはりこの時代でも真打ちはハイブリッド。直4エンジンベースながら、直4モデルよりずっとパワフル、トルキーに走り、もちろん、燃費性能はシリーズベスト。後輪モーター駆動の4WDはあらゆる路面状況、速度域でより高い安定感をもたらす。ドライバビリティのよさから、大柄なボディサイズにもかかわらず、街なかでもじつに走りやすい。ミニバンとして重要な車内の広さも、全長4795×全幅1795×全高1910mmのエルグランドより余裕がある」と記している。
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室内空間の話が出てきたところで、当時の初代アルファードと2代目エルグランドの車内の筆者による実測値を詳細に紹介するとしよう。全高が高いことから全列の頭上高や2列目席のシートサイズではアルファードが圧倒し、膝まわり空間では2列目席がエルグランド優勢。3列目席は両車同等。ラゲッジルームはよりボックス型ボディのエルグランドがフル乗車時の奥行き、幅、フロア地上高の低さでリードしていたようだ。
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いずれにしても、このクラスのミニバンでいち早く時代を先取りしたハイブリッドモデルを投入し、より商用車っぽくない洗練されたスタイリングが与えられ、高級サルーンに匹敵する乗り心地、静けさ、走行性能を実現した初代アルファードは、いまに至る絶対的存在感、人気を、もう25年近く前の2002年の時点で手に入れており、トヨタのフラッグシップミニバンとしての成功が約束されていたというわけだ。
なお、初代アルファードの中古車価格は50万〜70万円程度だが、さすがに20年以上前のクルマになるため、その後のメンテナンス費用は覚悟が必要だろう。どうしても……というなら、乗りつぶすつもりで、ネッツトヨタなどのディーラー系で探すといいかも知れない。