「赤字か……」と落胆する必要なし! 日産の2025年度決算発表にみえた「Re:Nissan」の効果と将来性 (2/2ページ)

本格回復に向け2026年度が正念場となる

 一方で、好調な動きも見られる。中国市場において、2025年5月に発売されたBEVセダン「N7」、並びに同年12月に発表されたPHEVセダン「N6」がヒット。第4四半期の販売台数を、前年度と同水準まで押し戻した。日産は2025年4月の会見にて、2027年までに計10車種のNEV(新エネルギー車)を中国に投入するとしているので、今後の展望には期待がもてる。

 日本国内では2025年度に投入した新型リーフ・新型ルークスが好調で、落ち込みを見せていた販売店への来客数も2024年度以前と同水準まで回復。米国市場では現地生産を強化することで収益性の向上が見られたほか、18年連続で市場シェアNo.1を誇るメキシコを筆頭に、中東といった重点市場では強固なプレゼンスを堅持している。

 新製品投入という面においては、中国市場以外でも手を緩めない。発売前ながらすでに大きく話題を呼んでいる新型エルグランドをはじめとした複数のニューモデルの市場投入が決定しているほか、先日ティーザー映像が公開された新型スカイラインなど、2026年度以降も魅力的な車種が控える。

 こうした市場・商品戦略の再定義はRe:Nissanのひとつのテーマとなるが、他方でもプロジェクトは着々と進行している。

 Re:Nissanで掲げられた3つの柱のなかでも、まさに支柱となるコストの削減では、2026年度までに固定費・変動費5000億円の削減(2024年度実績比)としている目標に対して、2025年度では固定費で2000億円、変動費で550億円の削減を達成。2026年度もイーブンで削減が進めば目標達成となる進捗を見せた。グローバルでの生産拠点統廃合、エンジニアリング費用の削減、人員削減による規模の適正化といった施策が順調に進んでいるためとされる。

 残るひとつの柱であるパートナーシップの強化については、車両の開発・生産から深くかかわるルノーと三菱だけでなく、車両の電動化・知能化技術に関する取り組みではホンダとも協業。さらに知能化の面では、 WayveやUberと共に自動運転技術を加速させるほか、中国市場ではファーウェイとタッグを組んでスマートコックピットを展開する。

 こうしてRe:Nissanの施策を引き続き強化する2026年度では、売上高が9921億円増の13兆円、営業利益で1420億円増の2000億円を見込む。そして純利益においては5531億円改善し、200億円の黒字へ転じるという見通しを立てている。

 ここまでのデータを振り返ると、売上や最終利益はまだ弱い一方で、下期のキャッシュフロー改善とコスト削減の進捗は、再建が机上ではなく実行段階に入っていることを示しているといえる。日産が回復の入口へと移ったことは認められるが、引き続き不安定な市場と関税問題のなか、2026年が正念場となるだろう。


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