「赤字か……」と落胆する必要なし! 日産の2025年度決算発表にみえた「Re:Nissan」の効果と将来性 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2024年度決算で大幅赤字を計上した日産が2025年度決算を発表した

■純損失は改善したが厳しい財務状況は続くなかコスト削減と資産最適化で一定の成果

■新型車と重点市場戦略が再建の鍵を握るだろう

本格回復ではないが底打ちの形が見えた

 2024年度決算にて6700億円を超える赤字を計上し、新社長となったイヴァン・エスピノーサ氏が経営再建計画「Re:Nissan」を掲げてから1年。日産自動車が2025年度決算を発表した。

 そもそも「大幅赤字」というワードばかりが取り沙汰されてきたが、2024年度決算における6709億円の赤字というのは”純利益”の数字であることを念頭に置いておきたい。純利益とは、営業利益に加えて、利息、為替差損益、減損損失、リストラ費用、税金など、いわば本業以外の負担もすべて反映した最後の利益を指す。一方で営業利益については2024年度決算で698億円の黒字であったので、本業となる自動車の製造・販売については一定の利益を出せていたということになる。

 今回発表された2025年度決算では、売上高12兆79億円(対前年-6253億円)、営業利益580億円(対前年-118億円)、経常利益11億円(対前年-2091億円)、当期純損失5331億円(対前年+1378億円)となった。営業利益はなんとか黒字を確保したものの、経常利益はほぼゼロまで縮小し、最終損益では大幅な赤字が残った形となる。再建途上にある厳しい財務状況に変わりはないが、減損損失の収縮に成功したため、純利益においては改善が見込めている。

 さらに注目したいのが、フリーキャッシュフローの状態改善である。フリーキャッシュフローとは、簡単にいえば企業が自由に使える資金余力を指す。2025年度決算においてのその数字は、通期では-4808億円だったものの、下期では1120億円の黒字へと転じた。

 このキャッシュフローの改善については、Re:Nissanの一部であるノンコア資産(本業の収益と直接関連性が低い資産)を最適化し、再建資金を確保するというメソッドが一定の効果を上げたと見ることができるだろう。その代表的な施策としては、2025年末に報道された本社ビルの970億円での売却などが挙げられる。ただし、この本社ビルの売却は20年間のリースバック契約(売却と同時に賃借する契約)となるため、短期的な資金繰り改善には効果的だが、必ずしも構造的な収益改善に繋がるわけではないことは理解しておきたい。

 本業たる新車販売については、グローバルの小売販売台数が前期比5.8%減少の315万1000台となる。厳しい市場環境のなか、ことに日本と欧州にて低まる需要とモデルサイクル変更タイミングの影響が響いた結果の数字となった。


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