HRCも幻のEVに協力していた
同車が取り入れたのは、ホンダを象徴する伝説のF1マシンであるRA272のサウンドを収録したシステム、「e-Motor Sound」の採用だ。RA272とは、1965年にF1で初優勝したホンダのモータースポーツ史を語るうえで欠かせない車両で、このクルマがまとっていた白いボディカラーは、チャンピオンシップホワイトとして、歴代タイプR専用色になっている。
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なお、このサウンドは実際の車両を走らせたうえでサンプリングされており、1.5リッターV12エンジンの咆哮が、まるで自身が操っているかのように聞こえるほどリアルに収録されている。グランツーリスモシリーズでお馴染みのポリフォニー・デジタルが監修しており、ドライバーは、元ホンダの二輪ワークスライダーである宮城 光氏が務めた。ただ音を録っただけではないというこだわりようだ。
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このシステムを使用するには、アフィーラの車内空間に関する演出テーマで「HRC」を選ぶと利用でき、モードが切り替わるとメータークラスター、アンビエントライト、Media Barおよび車内の各ディスプレイがRA272をモチーフとしたデザインとなる。そして、走行時には先述のRA272のエンジン音を再現した「e-Motor Sound」が起動するほか、充電時にバッテリー残量などが見られるフロントグリル内に「HRC」のロゴが浮かび上がる仕掛けに切り替わる。
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ソニー・ホンダモビリティでは、このソフトウェアの設定理由を「世界最高峰のモータースポーツで勝利を追求し続けるHRCと、最先端のテクノロジーや多様な知見でモビリティの革新に挑むSHMが共創することで、レースへの情熱というレガシーと、未来を切り拓く挑戦の融合による、新たな感動体験の提供を目指します」と説明していた。
「HRCの技術を市販車にも!」といわれているが、じつはHRC監修第1号になる予定のシビックタイプR HRCコンセプトよりも先に、アフィーラがその枠を奪っていたのかもしれない。
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しかし、前述のようにこのアフィーラの計画は中止となり、幻となってしまった。東京の銀座にあるカーギャラリー「G735 Gallery」にて2026年3月20日(金)~2026年3月29日(日)までこの車両は展示されるはずであったが、突然開発中止が発表された影響で、急遽26日(木)までの展示に変更されてしまった。開発中止は発表されるまで極秘だったようなので、きっと「え!?」となった関係者も多かったに違いない。
ただ、このようなシステムはホンダにとって初めての試みではない。こちらもアフィーラ同様に幻となってしまったが、Honda0シリーズの先行体験取材時に、ホンダではHonda eに歴代ホンダ車のエンジンサウンドやメータークラスターを再現したソフトウェアを、我々メディアに公開していたことがある。
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このときは、S2000やNSX-Rなどが再現されており、Honda eの車内で鳴り響いていた。「市販の予定はないんですけど、EVであればこんなこともできます……みたいなこれは宣伝です(笑)」と、当時の担当エンジニアにいわれたが、Super-ONE用のソフトなどで用意すれば、間違いなく大ウケすると思うのだが、いかがだろうか?
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ホンダしかやらなそうな、できなそうな面白い試みをこれに懲りずにどしどし展開してほしいと、ひとりのホンダファンとして願わずにはいられない。