かつて憧れの対象だったリヤ窓から覗く「カロッツェリア」の光るロゴ……が現代技術を引っ提げて復活! パイオニアの新製品がどれもこれも注目必至だった (2/2ページ)

光るボックススピーカーの復活に話題騒然

 そして、もうひとつ注目したいのが、10.1インチ大画面を搭載するディスプレイオーディオ「DMH-SF1000」だ。こちらの特徴は、国内市販カーAV業界で初となるドルビーアトモス対応(Apple Musicなどの空間オーディオ再生に対応)にある。

 近年、Apple Musicなどを中心に空間オーディオ対応楽曲は急増している。イヤホンやヘッドホンで楽しむユーザーは増えているものの、クルマのなかで本格的に体験できる環境は限られていた。そもそもドルビーアトモスは、映画館やホームシアターで広く普及している立体音響技術であり、従来のステレオ再生が左右方向の広がりを表現するのに対し、ドルビーアトモスでは上下方向を含めた三次元的な音場を再現する。まるで音のなかに包み込まれるような感覚が特徴である。

 それをカロッツェリアでは、驚くべきことに車の車内で、しかも一般的な4スピーカー環境でも空間オーディオを楽しめるようにした。パイオニア独自の自動チューニング技術を活用することで、特別なオーディオシステムを組まなくても空間オーディオをクルマで楽しめるようになったことは、オーディオファンにとって見逃せない進化といえる。

 また、サイバーナビとディスプレイオーディオにまさるとも劣らない注目を集めていたのが、ボックススピーカーの「TS-X40」だ。これは、ひと言でいえば、1980年代に一世を風靡した「光るボックススピーカー」の現代版だ。

 当時を知る世代にとって、クルマのリヤトレイに設置されたボックススピーカーは憧れの存在だった。夜になると青く光る「Carrozzeria」ロゴが浮かび上がり、パーキングエリアやサービスエリアで注目を集めていたものである。近年は純正オーディオの進化や車室内デザインの変化により姿を消していたが、イベントなどで旧モデルを展示するたびに復活を望む声が寄せられていたという。

 それを復刻したのがTS-X40であるが、そこはカロッツェリア。単なる復刻では終わっていない。ハーフミラー仕様のイルミネーションを採用しながら、音響性能も現代基準へと進化をさせており、セルロースファイバーコーンを採用したウーファーによって、力強い低音と伸びやかな中高域を実現している。懐かしさと新しさを融合させた象徴的な製品である。

 今回の体験会では、前述のディスプレイオーディオ「DMH-SF1000」とこのボックススピーカー「TS-X40」を組み合わせたデモカーにて試聴体験をすることができた。デモカーは「光るボックススピーカー」が流行った時代の定番モデル、ゴルフ2。しかも驚くべきことに、ディスプレイオーディオとボックススピーカー以外はすべて純正のままだという。それでもゴルフ2の車内は、まるで映画館やオーディオルームを思わせる立体的な音場になっていた。従来のステレオ再生とは明らかに異なる立体感ある音は、車内エンターテインメントに新たな可能性を感じさせてくれた。

 そのほか、会場内には最新のドライブレコーダー「VREC-DH610D」やデジタルルームミラー「VREC-DM300」なども展示され、カロッツェリアの40周年にふさわしい見応えのある内容となっていた。

 40年前、カロッツェリアはカーオーディオやカーナビの世界に数々の革新をもたらした。そして2026年、その挑戦は新たなステージへ進もうとしている。

 サイバーナビ、空間オーディオ、ボックススピーカー、ドライブレコーダーなど、ジャンルは異なるが、今回発表された製品群に共通しているのは、「移動時間をもっと楽しく、もっと豊かにしたい」という思想だ。クルマの電動化やSDV化が進み、車内体験そのものが大きく変わろうとしているいまだからこそ、カロッツェリアが長年培ってきた音と映像の技術は新たな価値を生むかもしれない。


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