上品な見た目に隠された野生! アルピナ創業家が世に放つスーパーワゴン「05 GT」が爆誕

この記事をまとめると

■アルピナ創業家は「ボーフェンジーペン」ブランドを展開する

BMW M5を800馬力へ強化し快適性も追求

■派手さを抑えたデザインにアルピナの哲学が宿る

800馬力でも控えめに

 アルピナというブランドに惹かれるひとならば、ボーフェンジーペンという姓に聞き覚えがあるはずだ。ブルカルト・ボーフェンジーペンが1965年にアルピナを創業して以来、半世紀以上にわたってBMWをベースとした高性能GTを世に送り続けてきたこの一族が、近年その「アルピナ」という名前をBMWグループに売却した。

 しかし、彼らは手を引いたわけではなかった。創業者の息子であるアンドレアス・ボーフェンジーペンが立ち上げた新ブランドは、家名をそのまま社名とした「ボーフェンジーペン」。第1弾はBMW M4をベースにしたカーボンボディの「ザガート」で、価格は36万ユーロからという超高額モデルだった。

 そしてこのほど発表された第2弾が「05 GT」だ。05はアルピナの車名体系に由来し、かつての「B5」の後継ともいえる位置づけのモデルといえる。ベースはBMW M5ツーリング(G90)で、ボーフェンジーペン家が得意としてきた「BMWに上品さと高性能をさらに加える」という哲学をここでも貫いている。

 05 GTの外装デザインを担当したのは、フランク・ステファンソン。フェラーリF430、初代BMWミニ、マクラーレンP1など、時代を代表する名車を生み出してきた伝説的デザイナーだ。目指したのは、ベースのM5ツーリングの派手さを抑えつつ、サイドの視覚的な重厚感を軽減するこだ。新設計のフロント・リヤバンパー、凝ったデザインのサイドスカート、リヤスポイラーが変更点の核となっており、フロントには「BOVENSIEPEN」のロゴが刻まれる。

 代を経るごとに過激化してゆき、現行モデルはトゥーマッチという声さえ上がるM5と比較するまでもなく、05 GTのスタイリングは控えめそのもの。その走行性能の高さを示す唯一の手がかりはアクラポヴィッチ製の4本出しマフラーくらいのもの。クルマに疎い人々からすれば、よもやこの地味なワゴンがスーパーカー顔負けの走行性能を秘めているとは思わないだろう。「知る人だけが気づく」という上品な自己主張は、まさに往年のアルピナの美学そのものだ。

 パワートレインの変更は, 4.4リッターツインターボV8エンジンの再チューニングにとどまる。最適化されたエアインテークと高効率エキゾーストにより、ベースのM5における最高出力728馬力・最大トルク102kg-mから、800馬力・112kg-mへと向上した。電気系統は変更されておらず、最高速度は305km/h以上、0-100km/h加速は3.6秒未満とアナウンスされる。

 サスペンションはMアダプティブダンパーを独自にチューニングし、ボーフェンジーペン専用設計のアイバッハ製スプリングと新設のストラットタワーブレースを組み合わせている。目標は「圧倒的な速さと、M5を上まわる快適性の両立」だという。

 インテリアはほぼすべての要素をオーダーメイドで仕上げることができ、豊富なレザーとアルカンターラを組み合わせた空間は、往年のアルピナが大切にしてきたGTらしいの優雅さを継承するものだ。

 このコンバージョンはドイツのブッフローエにある自社工場で実施され、その費用は約5万ユーロ(邦貨換算約930万円)。ドイツ国内での販売価格は20万ユーロ(約3700万円)未満からとされる。

 05 GTは、アルピナだけでなく、かつての上品なMを望むユーザーに対しても強力なオルタナティブになるだろう。


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