見た目も中身も大きな進化を果たしたF430
360モデナから90馬力もの出力増に成功したF430では、当然のことながらそれに対応してシャシーにもさまざまな改良策が施されていた。オールアルミニウム製のスペースフレームを基本構造体とすることに変化はなかったものの、フロアパネルに超々ジュラルミンパネルを採用するなど、さらなる剛性アップのための改善策を展開。360モデナから捻じり剛性では20%強化、曲げ剛性でも8%の向上が実現している。
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前後のサスペンションはいずれも上下不等長不平行ダブルウイッシュボーンのデザインで、これは360モデナのそれから変化はなかったものの、ダンパーやコイルスプリング、スタビライザーのセッティングはF430のために見直された。
さらに大きな変化を見せたのはタイヤサイズで、F430ではフロントが225/35ZR19、リヤが285/35ZR19という前後同偏平率の設定に。デザインが新しくなったホイールの内側に見えるブレーキシステムには、軽量なカーボンセラミックローターと、フロント6ピストン、リヤ4ピストンキャリパーからなるパッケージをオプションで選択できるようにもなった。
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コーナリング性能より高い次元へと導くために、F430では360モデナに搭載されトラクションコントロールの役割を果たしていた「ASR」に代わり、「CST」と呼ばれる新たなビークルダイナミクスの総合制御システムも導入された。これは電子制御デファレンシャルの「E-DIFF」や「F1マチック」などとも連動するもので、常に最適なトラクション性能と車両の安定性を実現する。
エクステリアとインテリアのデザインも、360モデナのそれからさらに魅力的なものとなった。そのスタイリングはピニンファリーナとフェラーリのチェントロスティーレ(デザインセンター)のチーフスタイリスト、フランク・ステフェンソンとの共同で行われたものとされており、フロントノーズには往年の「156F1」や「250TR61」に見られたシャークノーズが、またリヤのショルダーラインには「250/275LM」のそれをモチーフとした造形が巧みに採り込まれている。
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円柱型のテールランプを半分だけ露出させる手法は、あのエンツォ・フェラーリにも似る。実際にこのF430が走行中に得るダウンフォースは、そのほとんどがボディ下面から発生するものだが、その最大量は360モデナとの比較では50%増にも達する数字だった。
F430のシリーズには、2005年には「スパイダー」が追加設定され、さらに2007年には軽量高性能版の「430スクーデリア」、2008年には「スクーデリア・スパイダー16M」も登場するが、こちらは別項へと話を譲ろう。