【試乗】乗り心地の「気持ちよさ」に全振り! C5エアクロスの「魔法の絨毯」っぷりに改めてシトロエンの凄みを実感 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■シトロエン伝統の快適思想が新型C5エアクロスでさらに進化していた

■最新プラットフォームと独自サスペンションが極上の乗り味を実現する

■「乗り心地がいい」ではなく「乗り心地が気もちいい」SUVだった

究極の乗り心地を手に入れた2代目C5エアクロス

 シトロエンほど「快適である」ということに強いこだわりをもつブランドはないんじゃないか? と思う。いや、そりゃ何ごとにも上には上があって、快適性に関してシトロエンを越えてるクルマっていうのも存在はする。けれど、それを手に入れるには途方もない財力を必要とするわけだ。

 アンダー1000万円でそうしたクルマたちに肉迫できるのは、シトロエンをおいてほかにない。それは単なる僕自身の思い込みなんかじゃなくて、どのクラスのどのシトロエンに乗っても誰もが間違いなく実感できる決定的な事実、と断言してもいい領域にある。事実上のフラッグシップといえる2代目C5エアクロスを走らせてみて、その想いはこれまで以上に強くなった。何せ535万円からという価格で、夢のような乗り心地を堪能できるのだから。

 一体いつごろからシトロエンが快適性に強いこだわりを示すようになったのかは正確にはわからないけど、それが初めて歴史上にクッキリ刻まれたのは、1954年に試験的にトラクシオン・アヴァンのリヤサスペンションに採り入れられ、翌1955年デビューのDSから全面的に導入された”ハイドロニューマティック”サスペンションの導入だろう。

 ものすごく簡単にいうなら、金属製スプリングの代わりに窒素ガスによるエアスプリングを、筒型のダンパーの代わりに油圧シリンダーと油圧ポンプによるダンピング機構を用いる、気圧+油圧の独特なサスペンションで、その発展型の”ハイドラクティブ”サスペンションまで含め、2010年代後半までシトロエンの乗り味を支え続けてた。まるで魔法の絨毯のよう、と形容されるふんわり柔らかいそのフィールは、“乗り心地がいい”というより“乗り心地が気もちいい”とすらいえる類で、クルマに快適性を求める世界中のファンを長いこと魅了し続けてきた。

 ただし、仕組みとがとても複雑だし大きなコストも要するため、現在では気圧+油圧のサスペンションは廃止となり、金属スプリングと筒型ダンパーの一般的なレイアウトとなっているのだが、シトロエンの乗り心地へのこだわりは健在どころかさらに強くなっていて、シンプルながら効果的なふたつの“飛び道具”をもってして、かつてのハイドロニューマティックにも似た乗り味を巧みに再現している。

 ひとつは“プログレッシブハイドローリッククッション”。ダンパーのなかにもうひとつのダンパーを仕込み、二段構えでショックをやわらげることで、しなやかでふんわりとした“魔法の絨毯”フィールを作り上げている。通常のダンパーではフルバンプとなったときにウレタン製のストッパーが受けとめるのだが、その部分を第2のダンパーが受けもつことで底付き感をやわらげられるし、メインダンパーのストロークもよりやわらかく設定できる、というわけだ。

 もうひとつは“アドバンストコンフォートシート”。座面や背もたれといった中央の部分に分厚い低反発フォームを使ってやわらかさを確保し、サイドはしっかり作るなど、構造や素材を徹底的に吟味することで心地よさとホールド性を両立しているシートだ。いうまでもなく快適だし、長時間の移動でも疲れが少ないことで定評がある。


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嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2026-2027日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
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