幾度経営難に陥っても不死鳥のように蘇る! オランダのスパイカーが新たに作る「C8プレリエータ」は純エンジンで勝負するスーパースポーツ!! (2/2ページ)

10年でプラス300馬力の力を得た純ガソリンモデル

 最新のエンジニアリングとともに、エクステリアとインテリアではクラシカルな雰囲気を演出したC8シリーズは、その後2009年には後継車の「C8エルロン」シリーズに、また2016年にはここで紹介する「C8プレリエーター」シリーズに進化を遂げることになるが、その一方でスパイカーの経営は深刻な状況に追い込まれていた。2006年にミッドランド・F1チームを買収、さらに2010年にGMからサーブを買収するといった、いささか大胆なビジネス戦略の失敗もあり、スパイカーは2014年に破産。2015年には一度はその活動を再開したものの、2021年には再び破産宣告を受けている。

 だが最初に触れたスパイカーの企業哲学、「粘り強く続ければ、必ず道は開ける」という言葉は間違いではなかった。2022年になるとスパイカーはロシアの投資家からの支援を受け、再び自動車生産を開始することを発表。その復帰作となるのは、今年8月14日にアメリカのカリフォルニア州モントレー近郊のカーメルにある、高級ゴルフリゾート、クエイル・ロッジを舞台に開催される、「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」でワールドプレミアを予定する、新型「C8プレリエーター」だ。

 それが2016年に発表されたモデルの進化型であるのか、あるいは完全な新設計モデルであるのかは、現在の段階ではその詳細はわかっていないが、いずれにしてもこのニューモデルによって、スパイカーはスーパースポーツの世界に復活を遂げることになるのは間違いない。

 新型C8プレリエーターには、800馬力の最高出力を発揮するV型8気筒ツインターボエンジンが搭載される予定だという。参考までに2016年に発表されたC8プレリエーターには、スーパーチャージャー付きのアウディ製4.2リッターV型8気筒エンジンが518馬力の最高出力で搭載されていたから、そのスペックの差にはやはり10年という時間の流れを感じずにはいられない。またやはり新生スパイカーを率いるミュラー氏によれば、この新型C8プレリエーターではハイブリッド化などの電動化は行われないという。

 高性能なV型8気筒ツインターボエンジンとRWDの駆動方式。それは現在においては反抗的ともいえる姿勢なのかもしれないが、アナログなクルマ作りを信仰するスパイカーのファンにとっては、これはひとつの理想像でもある。最高速で350km/hを可能にするという新型C8プレリエーター。そのデビューには大いに注目したい。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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