この記事をまとめると
■中国進出は長らく現地企業との合弁が条件だった
■EV分野では中国企業が世界有数の競争力をもつ
■規制撤廃後も協業は成長戦略として重要である
いまや中国市場は自動車産業の主戦場
世界一の自動車市場である中国では、ほとんどの海外自動車メーカーが中国企業との合弁事業としている。かつて中国進出に際しては、中国企業との合弁であることが条件とされたからだ。なおかつ中国資本を優先するため、海外企業の出資比率は50%以下と定められていた。つまり、経営権は中国側にあるということだ。
その背景には、中国が自動車産業において自立するため、国内企業の成長と保護を進める狙いがある。中国の「東風汽車」や「広州汽車」といった社名はよく目にするのではないか。 同じ中国企業に複数の海外メーカーがかかわることもある。しかしこの規定は、現在は解除されている。つまり、海外企業単独での中国進出や、出資比率を50%以上とすることができるようになった。
これは、中国および中国企業が高い競争力を備えた裏付けでもある。それは、力を付けた中国の資本が投入されたメーカーがあることで見えてくる。たとえば北欧のボルボや英国のロータスは、浙江吉利(ジーリー)の傘下となった。
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もうひとつの合弁の理由として、中国が躍進するEV分野では価格競争が厳しさを増しており、原価低減のため中国製を活用した新車開発が不可欠となりつつあることも挙げられる。また、米国の2倍近い市場規模へ成長した中国での販売を考えると、中国人消費者の嗜好にあった商品開発が不可欠だ。その際、中国企業と関係があれば、ともに収益を上げる同士の視点で戦略を練ることができる。
かつて2輪で中国へ進出したホンダでは、現地の模倣部品の対処で苦労したが、やがて現地の部品メーカーが成長し、ホンダの部品と変わらぬ品質を達成するようになり、正規の部品として契約したというできごとがあった。中国の製造業は、もはや侮れない水準に達している。なおかつ原価競争を生き抜くには、現地の企業との適切な関係が不可欠になっているといえるだろう。
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当初は中国国内の企業を育てるために設けられた規制によって合弁事業がはじまったが、中国は短期間に成長し、かつEVでは欧米や日本をしのぐほどの水準に達した。そして市場規模も急拡大している。
やむを得ず合弁するのではなく、規制が撤廃されても中国企業と親しい関係を保持することで、海外の企業にとって成長を約束されるといえるのではないか。