R32GT-Rで語られるべきはRB26エンジンとアテーサE-TSだけにあらず! 純正シートが誇る衝撃のクオリティとは (2/2ページ)

クルマ並みに評価されている名品

 それが証拠に、R32で使われたこのシートは小改良が入ったものの、後継モデルのR33GT-Rでもそのままキャリーオーバー。ほぼ同形状のモノが採用されていた。そのほかにも、R33に設定されていたNISMOのコンプリートカー、400Rにもこのシートが採用されていたが、こちらには刺繍で「NISMO」のロゴが入っているオリジナル品が導入されていた。このシートはオプションでも選ぶことができたのだが、わざわざ純正シートを変更する人があまりいなかったせいか激レア品で、中古市場では100万円に近い金額で取引されることもある。

 さらにこのシート、あまりにも優秀で評判がよかったのか、オーテックが手がけた限定車、パルサーVZ-R N1のバージョンIIにも色違いのモノが純正採用されていた。それ以外にも、”流用の日産”でお馴染みということで、このシートはGT-Rでないスカイラインオーナーたちや、兄弟車的ポジションにいるステージアオーナーたちもこぞって流用していた。デザインがスポーティかつシンプルで性能もよく、中古も安価、フロアの形状が同じだったのでほぼポン付けできたことがその理由だ。

 そのほかにも、シルビアや180SXにも小加工で取り付けできたほか、あの手この手で全然関係ない車種にも流用している人も多かった。こちらはデザインなどの関係からあまり流用するケースは多くないが、同じフロア形状ということもあり、R34GT-Rにも流用することができたという。

 ちなみにこれは都市伝説の域を出ないが、このシートをレースでそのまま使うチームも過去にはあったようだ。もともと高いホールド性やリクライニングによる微調整機能、サイドサポートの薄さなどから、乗り換えを伴うレースでは有効だったのかもしれない。

 なお、この純正シートは中古で相当数が出ている一方で、このままのデザインを好む人も少なくないようで、純正表皮同等の貼り替え用の生地や、NISMOからシートカバーが出ているなど、純正シートとは思えないほど補修部品・アクセサリーが多く出まわっている点もユニークだ。こんなにも愛されている純正シートはそうないだろう。

 純正でRECAROシートを採用……それこそ初代と2代目のシビック&インテグラタイプRなどのシートは、RECAROの名前を背負っているだけでなく、既製品ベースのセミバケットシートだったので、いろいろと流用する人が多いのも頷ける。しかし、R32とR33のシートはあくまで日産の純正シートだ。そう考えると、この評価の高さがいかに異質だったかがよくわかるはずだ。

 日本が世界に誇るスポーツカーは、性能だけでなくシートまでもが名品なのだ。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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