この記事をまとめると
■デコトラは東北の水産便から広まった文化である
■それゆえに石巻と銚子はいまなお聖地として知られている
■時代に合わせ姿を変えながら受け継がれるデコトラの未来に期待したい
起源は東北地方の水産便
1970年代に公開された映画「トラック野郎」の大ヒットにより、日本独自の文化として根付いて発展しつづけてきたデコトラ。これは荷物を運ぶトラックに煌びやかなデコレーションを施した改造車のことを指す言葉で、改造車というジャンルでありながらも、ドラマやCMにたびたび起用されるほど、デコトラは日本が世界に誇るべきジャパニーズカルチャーとして浸透している。
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そんなデコトラが誕生したのは、前述の映画が始まる前のこと。明確な記録は残されていないが、青森など東北地方の水産便が今日に伝わるデコトラの起源とされている。当初は電飾ではなく、カラーリングでトラックの個性を主張していたという。そんな時代に現れたのが、電飾パーツを取り付けた東北地方の水産便だった。彼らが全国各地の中央卸売市場や漁港に出入りするようになったことで、トラックを装飾するという手法が広まったのだ。その存在が故・愛川欽也さんの目に止まり、映画「トラック野郎」が生み出されたのである。
東北地方では、現在でも数多くのデコトラが活躍している。昔のような派手なデコトラは減ったものの、味のあるシックなデコレーションが東北地方で、とくに宮城県の石巻で愛され続けてきた。その結果、デコトラ発祥の地は青森、デコトラの聖地は石巻だとの認識が強まっていく。宮城県のデコトラはほかの地域と比較しても飾り方に特徴があるのだが、そのスタイルが現在も変わらず受け継がれているのだ。
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もちろんデコトラの世界における聖地と呼ばれる存在は、ひとつだけではない。なかでも名高いのが、千葉県は銚子港である。暴走族仕様の4輪車を象徴する言葉のなかに、チバラギ(チバラキ)というものが存在する。これは千葉と茨城を合わせた造語で、昭和の時代から両県は改造車のメッカとされてきた。そんな千葉と茨城にも、当然のごとく数多くのデコトラが生み出されてきた。
そんな千葉県の銚子港といえば、3つの卸売市場を抱える国内最大規模の水産物流通拠点でもある。そのようなメッカに水産物を運ぶことを生業とする全国各地のトラックが集ってくるのは、至極当然の流れ。そのため、千葉県銚子港はデコトラの聖地として崇められてきたのだ。
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東北や関東はこのようになっているが、西のほうへと場所を移すと、聖地と呼ばれる場所は意外に存在しなくなる。中身の濃いデコトラが昔から多いという意味では、群馬、静岡、三重、大阪、兵庫、岡山、広島などが名高いが、数の多い聖地と呼ばれるような場所は、先のふたつに絞られるかもしれない。それほどまでに、石巻と銚子はデコトラの世界で神格化されているのである。
時代は変わり、デコトラの世界でも派手さから美しさへとデコレーションの方向性がシフトしてきた。このように姿を変えながらでも発展しつづけているデコトラを、これからも日本独自の文化として誇り高く守りつづけていきたいものである。