見えない破壊者が1年中クルマを攻撃している! 想像以上に怖い紫外線のダメージから愛車を守る対策とは (2/2ページ)

出番は夏場だけにあらず! 1年を通して役に立つサンシェード

 新車の塗装がどんなに進化しても、4層に塗り重ねられた塗装膜の厚みはせいぜい1mm程度。一番上のクリア層の膜厚はわずかコンマ数mmでしかない。紫外線の被曝のことも考えれば、ノーダメージということは考えにくい。

 クリア層の耐用年数は一般的に「3〜10年」と言われていて、仮に10年もったとしても、その間に徐々に美観は損なわれていく。どうしても紫外線を受けたくないなら夜間や雨の日だけしか乗らず、太陽光のまったく当たらない車庫にでも保管しておくしかないが、ありえない話だ。

 屋外の駐車場を利用している人の場合、内部にこもる湿気や侵入してくるホコリなどは看過できないが、ボディカバーで紫外線を完全に遮ってしまうのが最善策だ。自宅にクルマを停めるスペースがある人なら、コスト的にカーポートの設置が現実的かもしれない。

 では、美観の維持と塗装の保護を目的とした”ボディコーティング”はどうか?

 プロが施工する本格的なものや、DIYタイプなど予算に応じた選択が可能。コーティング剤の多くが紫外線吸収剤を配合していたり、保護膜によって塗装面への紫外線の到達を防ぐ効果があるとされる。具体的には、クリア層の表面と酸素が直接接触しないため、紫外線によって発生したラジカルが酸素と反応して連鎖的に化学結合の切断が起こる現象を防ぐ効果が期待できるという。

 もっとも、塗装面に定着させることができる被膜の厚みには限界があり、紫外線を完全に遮断するのは難しいと考えたほうがいいかもしれない。また、コーティング被膜も紫外線を受けて徐々に劣化、摩耗もする。定期的な再施工は必須と考えるべきだろう。

変色は当然でヒビ割れもヤバすぎるレザーシート

 太陽光によるクルマへの影響を考えた場合、塗装よりも内装のほうがダメージは大きいのかもしれない。

 考えてほしい。ボディの前後左右には大きなガラス製のウインドウがはめ込まれた温室状態。真夏は短時間で車内温度が50〜70℃以上に急上昇、たとえばダッシュボードの表面温度は90℃に達することもあるという。

 強い日差し=高温による影響は決して小さくないが、より注意が求められるのはガラスウインドウを透過する紫外線のほうだ。とくに旧年式車で散見されるクラック(亀裂)の入ったダッシュボード。高熱とともに、フロントウインドウを透過した紫外線が素材の樹脂の内部にダメージを与え続け、ついには割れてしまう症状だ。

 また、塗装の項目で述べた変色の問題についても内装でも同じことが言える。迂闊に日の当たる場所に衣服などを長期間放置して退色させてしまった経験はないだろうか? 紫外線の強力なエネルギーは染料の色を構成する化学構造(結合)を分解し、色あせを引き起こすのだ(ちなみに黄や紅色の染料は分子結合が弱く、紫外線で退色しやすい傾向だという)。

 クルマの場合、長期間紫外線を浴び続けた布製の内張りやシート表皮が、元の色がわからないほど白茶けてしまうこともある。さらに高級/高額車で定番の本革のシート表皮や内張り、ステアリングなども色褪せだけでなく、ヒビ割れを起こし、見るも無惨な状態になっているケースを多く見かける。

プライバシー保護と紫外線カットの一石二鳥

 言うまでもなく、対策は紫外線をできる限り車内に侵入させないこと。そして、もっとも手軽で、かつ手頃な対策品と言えば、”サンシェード”に尽きるだろう。フロントウインドウに被せるだけのきわめてシンプルなものとはいえ、効果は絶大。駐車時の車内温度の上昇を抑える目的で利用している人が多いようだが、じつは紫外線の侵入を84%抑制できる。ウインドウに貼付するUVカットフィルムに至っては100%に近い紫外線カット効果が期待できる。いずれも季節を問わず積極的に活用したいアイテムだ。

 自動車メーカーも、内装の保護というより、むしろ紫外線が及ぼす乗員への健康被害の観点から、以前かUVカット機能(紫外線カット率は約80%)を持たせたフロントガラスの採用を進めていて、現在ではほぼすべての新車に標準装備されている。

 最近では、トヨタのノア/ヴォクシー、ハリアーをはじめ、日産デイズ、マツダCX-3などに、さらに紫外線
対策を強化した”スーパーUVカットガラス”と呼ばれる高性能UVカットコーティングを施したウインドウを採用している。

 その99%というUVカット率は、(人の)日焼けの原因になる紫外線をほぼ遮断可能。紫外線によるインテリアへのダメージが抑えられるのは言うまでもない。

 ちなみに、このスーパーUVカットガラスを採用した車両は、運転席または助手席のドアガラスの端部(角の部分)に小さく”M2H3U”と刻印されていることでわかる。

※本記事は雑誌CARトップの記事を再構成して掲載しております


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