日産旧車乗りが憧れるオプションパーツ! 「ダッツンコンペ」と「ダッツンバケット」ってなんだ? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマのカスタマイズで「ステアリング」や「シート」の交換は鉄板だ

■日産の旧車乗りにはある「ステアリング」と「シート」が絶大な支持を受けてる

■復刻品やレプリカも数多く販売されるほど人気が高い

旧車乗りが崇める名品

 先日、「R32(33)GT-Rの純正シートがなかなか凄い」といった記事を執筆したが、書いていてふとあることを思い出した。「そういえば日産にはまだファンが多いアイテムがあったぞ?」と。それは、クルマを運転する上で欠かせないあるふたつのパーツだ。とくに日産の旧車乗りにとってこの2点は無視できない、三種の神器ならぬ二種の神器みたいなもので、筆者のようなにわかクルマオタクでも、その存在は認知しているほど。ってなわけで早速紹介していこう。

 まず「運転する上で欠かせないパーツってなんだよ」という話だが、それはステアリングとシートだ。ここに関する細かい説明はさすがに不要だろうから省略する。ただ少しだけ与太話を挟むと、このふたつを変更することでクルマが別物……と表現するのは大袈裟だが、視覚的効果だけでなく、結構フィーリングが変わるのは、変えたことがある人であればおわかり頂けるだろう。

 ステアリングは小さくすればクルマの操作感がクイック(機敏)になるし、シートを変えれば目線が低くなるだけでなく、ホールド性なども上がるので、こちらもやはり操縦性が上がる。腰痛持ちの人にとっても、腰の痛みや違和感が軽減されるといわれているほどだ。とはいえ最近のステアリングもシートも多機能なので、わざわざ変える人も少ないとは思うが……。

 さて、このふたつのアイテムであるが、じつは日産が過去に手掛けていたもので、いまだに熱狂的な信者たちによって崇拝されているものがある。それが、「ダットサン コンペティションステアリング」と「ダットサン バケットシート」だ。ダットサンとはいわずもがな、日産がかつて名乗っていたブランド名だ。

 ではこの「ダットサン コンペティションステアリング」と「ダットサン バケットシート」とはなんなのだ? という話だが、これらふたつは日産がかつて販売していたオプションパーツたちで、まだNISMOもない時代、まさに伝説の追浜ワークス時代のモノ。当時は日産プリンス・スポーツコーナーが扱っていた用品だ。

 この当時のクルマは当然パワーステアリングなんてものはなく、いわゆる重ステと呼ばれる機構だったので、ステアリングを切るのもひと苦労。なのでそれが少しでもラクになるようにと、どのクルマもステアリングが巨大だった。しかし、巨大な分ステアリングフィールはイマイチで、これでレースをしようものなら、操縦性が劣ることは明白。ではどうするか。小さくするしかないのだ。

 重ステといわれても、実際にそれが厳しいのは停止状態から動かすときだけ。なので、動いてしまえばそれほど問題もなく、レース中となればなおさらだ。そこで開発されたのがオプションの小径ステアリングというわけだ。

 たとえば、S30型のフェアレディZの純正ステアリングは直径380mmであるのに対し、この「ダットサン コンペティションステアリング」の直径は350mmと30mmの小径化を果たしている。たった30mmだが、これが効果絶大なのは、ステアリング交換をしたことがある人であればわかるはず。なお、ハコスカと呼ばれる「GC10」型のスカイラインなどの純正ステアリングは、なんと直径が400mmもあった。いまでも多数の製品でリリースされている、グリップ部分が手前にせり出しているディープコーン形状になっているのも特徴だ。

 そしてこの当時、日産はフェアレディZやスカイラインGT-Rを武器に日本中のサーキットで連戦連勝し、まさにレース界における風雲児であった。そんな日産勢が使っているステアリングともなれば、当時のクルマ好きにとって手を出さないわけがないアイテムになるのも自然な流れ。

 よってこの「ダットサン コンペティションステアリング」は、当時から現在に至るまで、日産旧車乗りにとってはマストアイテムとなっているわけだ。ちなみにこのステアリング、ファンたちの間では「ダッツンコンペ」なんて呼ばれて愛されている。「ダッツン?」となる人向けに説明すると、「DATSUN」はアメリカなどでは「ダッツン」と発音されることに由来しているそうだ。

 この「ダットサン コンペティションステアリング」は、当時モノは超希少で、状態次第では数十万円になることも珍しくない。しかしこれ、あまりの人気っぷりでレプリカも多いことから、NISMOではヘリテージパーツとして復刻しており、新品が12万1000円ほどで販売されている。NISMOによると、1994年にNISMO創立10周年記念時にも復刻しているとか。当時の図面はそのままに、あえてバリや塗装のムラなども残しているこだわりようだ。

 巷では「伝説のスポーツステアリング」とも呼ばれているこのステアリングは、1970年ごろの誕生なので、50年以上も支持されていると考えれば、いかに名品かおわかりいただけるだろう。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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