この記事をまとめると
■ブラバスE V12は7.3リッターV12で330km/hを記録
■フェラーリF40やF50を上まわる最高速を実現した
■世界最速4ドアの系譜を築いた伝説的モデルだ
V12をEセグメントサイズに押し込むという狂気
210型ブラバス E V12を語るには、その前身であるW124型から話を始める必要がある。1993年、ブラバスはW140型SクラスのS600に搭載されていたM120型V12エンジンをW124型Eクラスの車体に移植するという前代未聞のプロジェクトを実行した。
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Eクラスのエンジンベイは本来このような大型エンジンを想定した設計ではなく、搭載するためには大掛かりな改造が必要だった。それでもブラバスはその困難を乗り越え、さらに排気量を6.9リッターまで拡大した仕様を完成させた。「Eクラスにはどこまで大きなエンジンが積めるか」という実験は、次世代へと引き継がれることになる。
1996年、W210世代の新型Eクラスにバトンが渡った。ブラバスが選択したのは、7.3リッターに排気量を拡大したV12自然吸気エンジン「7.3S V12」だ。セダン・ワゴンボディの双方を選ぶことができ、同年10月、このクルマのセダン仕様はギネスブック・オブ・ワールドレコードに「世界でもっとも速い4ドアセダン」として正式に認定された。
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スペックを改めて確認しておこう。排気量7255cc(7.3リッター)、DOHC・48バルブ構成のV12自然吸気エンジンは最高出力582馬力(428kW)、最大トルク772〜780Nmを発生する。5速ATと組み合わせて後輪を駆動し、最高速度は電子制御によって330km/hに制限されている。0-100km/h加速は約4.5秒、0-200km/h加速は16.0秒という記録が残されている。
ここで比較として挙げたいのが、同時代のフェラーリF50だ。F50の最高速度は約325km/h(202mph)であり、E V12の330km/h(205mph)はこれを上まわっていた。さらに当時の世界最高峰スーパーカーとして知られたフェラーリF40の最高速度は約324km/hとされており、「一見ただのEクラスがF40より速い」という事実は、当時世界の自動車メディアを驚愕させた。
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同時にブラバスは「市販メルセデスとしてもっともパワフルなエンジン」という称号も自称しており、当時のAMGさえも超える出力を誇っていたのだ。