峠の走り屋からS耐王者にまで登り詰めたのにナゼ? 28歳の異色ドライバー石森聖生が「未知の世界」ラリーに挑むワケ (2/2ページ)

若手ドライバーの挑戦はまだまだ始まったばかり

 とはいえ、その一方でラリー競技は難しく、石森選手によれば「レースでは順調にステップアップできましたし、どんなクルマに乗ってもタイムは出るんですけど、ラリーは経験がモノをいうカテゴリーで、ドライビングの限界の見極め方やペースノートの精度など、レースにはない難しさがありますね」とのことだ。

 ちなみにJN-2クラスは参加台数がわずか1台で、不成立となったことから石森選手はJN-1クラスでエントリー。デビュー戦となった第3戦のラリー飛鳥ではJN-1クラスの7位で完走を果たしたが、今大会では苦戦の展開を強いられた。

「このクルマで初めてウエット路面を走るので、午前中はかなり抑えて探りながらドライビングをしていました。午後のSS3ではインカムのトラブルでペースノートがほぼ聞こえない状態でしたが、SS4では機材が直ったこともあり、いままでにないほどいいペースでリズムよく走れていました。前戦からセットアップを変更したことで、曲がりやすくなったし、安心して走れるようになってきたんですけどね。ギャラリーコーナーで失敗したのでタイムロスをしてしまいました」と語るように、石森選手はJN-1クラスの7番手で、レグ1をフィニッシュ。

 しかし、「いままで午前中のループは抑えすぎていたので、今日は少し攻めていこうとしていました。霧が出ているなかでも、それなりに走れてはいたんですけどね。残り2kmぐらいのところでブレーキを踏んでも止まらない感覚があってオーバーラン。土手にフロントをぶつけて冷却関連を壊してしまいました」と語るように、レグ2のオープニングステージ、SS5でコースアウトを喫し、そのままリタイヤすることになったのである。

 このように、石森選手にとって久万高原ラリーは悔しいリザルトに終わったが、「タイムを出せずに終わりましたが、ラリー飛鳥より攻められるようになってきたと思います」と手応えを語る。

 さらに今後のプランについては「ラリー・カムイ、ラリー北海道のグラベル2連戦はスキップして、その間にトレーニングをおこなう予定です。後半のターマック戦は出場する予定なので、さらに進化できるように頑張りたいと思います」とのことだ。

 WRCで活躍する勝田貴元選手を筆頭に、前述のコバライネン選手などレースからラリーに転向して成功を収めたドライバーも少なくないだけに、シリーズ後半でも新天地に挑む石森選手の動向に注目したい。

 なお、久万高原ラリーでは、トヨタGRヤリスの山田啓介選手がJN-3クラスを制覇。さらにJN-4クラスではトヨタGR86を駆る山本悠太選手、JN-5クラスはニッサン・マーチのステアリングを握る阪口知洋選手、JN-Xクラスでは今大会よりトヨタRAV4 GRスポーツを投入した天野智之選手がそれぞれクラス優勝を獲得している。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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