買ってから後悔する人が多い不人気モデルも少なくない
もちろん店の性格によって変わるのだが、筆者が訪れた店舗で中古のSUVを買いに来る人の多くは、20〜30代の若者で、結婚したてや、子どもが生まれたばかりと、クルマ以外にもお金がかかる層がメインだという。なので、「SUVが欲しいけどなるべく安いのが……」という人は、前ページで触れた物件をよく選ぶとのことだ。
しかし、クルマ好きの読者であればわかると思うが、最近は街なかで、トヨタのFJクルーザーやランドクルーザー250、初回受注が殺到したジムニーノマドをよく見かけないだろうか? この店舗も例に漏れずこれらのモデルも数多く扱っていた。
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「ぶっちゃけFJクルーザーは見た目に全振りしているので、人気なように見えて動きは渋いです。そもそもこれはエンジンが4リッターV6(1GR-FE)なんで、トヨタ車だから壊れにくいといいながらも、税金やガソリンなど、維持費がかなりかかります。それにこのクルマ、ユニークな観音開きドアですが、後ろがめちゃめちゃ狭いので子もちには不評です」と、意外な返答が。
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筆者の親戚もこのFJクルーザーを長年所有しており、後席に乗って何度も出かけたことがあるのだが、正直室内はかなり狭く、リヤシートは5ナンバーのコンパクトカークラスほどしかないのが正直なところ。「大丈夫でしょ!」と意気込んで購入するも、しばらくして後悔する人も少なくないとのことだ。
販売価格は250万円前後とそれほど高価ではないが、ファミリーカーよりも趣味の道具として割り切るタイプのSUVだと教えてくれた。価格で惹かれて手を出してはいけないタイプのクルマの典型例だろう。
では、ジムニーノマドはどうだろう? こちらは「もうダメですね」と即答。ただしここでいう”ダメ”というのは、リセール面と販売面での意味だ。ジムニー5ドアの愛称で国内販売前から熱望されていたモデルで、2025年4月に販売がスタートし、4日で受注枠が埋まってしまい受注停止。2026年1月から2型の受注再開が始まり、「納車時期は抽選だが誰でも買える」という形で受注を再開したモデル。
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「出た当初は大人気だったので、それこそ新車価格にプラス150万円くらいの相場で買い取っていたんですが、もういまでは新車価格とほぼ同額かそれ以下でしか買い取れません。しかも在庫の捌け方が絶望的で……ちょっと今後は怪しいですね」と肩を落としていた。
なおこのジムニーノマド、「無敵の四駆であるジムニーが5ドアとか、堅牢性と実用性が揃ってて最強では!?」と思うのも無理はないのだが(筆者もそう思っていた)、車内の幅はあくまでジムニーなので広くなく、ジムニーの特権である最小回転半径の小ささ(4.8m)と比較して、ジムニーノマドでは5.7mと絶望的に小まわりが利かないと不評なんだそう。ジムニーに対してホイールベースが340mmも伸びているので仕方ないのと、「そんなに小まわりすることある?」と聞かれたらなんともいえないが、実用性が低くなっているのは事実。楽しみにしていた人からは「思ってたのと違う!」とよくいわれるそうだ。
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記事執筆の現時点で中古車市場に1400台以上のジムニーノマドが出まわっているという事実が、残念ながら人気が下落していることを証明してしまっている。なので最近のジムニーノマドの中古車は、カスタムして販売するほうが食いつきがいいとのこと。逆にいえば、状態のいい物件がもう少し我慢すれば安価に狙えるかもしれないので、引き続き相場感を注視したい1台だ。
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なお、通常のジムニーとジムニーシエラは、先代モデルのJB23や現行型を含め、カスタムした車両が人気で、お金に余裕のある人の遊び用のクルマ(セカンドカー)としての需要が高いそうで、カスタム済み車両が多く並んでいた。
最後にちょっと変わり種であるが、こちらも人気が高いデリカD:5を見てみよう。デリカはミニバンであるが、4WD特化型のミニバンというだけあってSUV専門店ながらも人気モデルな様子。「こちらもスゴい人気ですよ! スライドドアが欲しいなんて家族や、キャンプや車中泊をする人にはベストバイです。ただ、買うならディーゼルモデル一択ですね」と語る。
先ほどから述べているように、「安価なSUVが若者に人気」とのことで、デリカD:5を中古で探すと、条件をフル無視すれば、最安値は30万円程度から売りに出ている。まあさすがに最安値物件は故障などが怖いので、せいぜいその倍、「60万円程度の物件から視野に入れていけば、ガソリンモデルにはなるけどいいタマがそこそこあるのでは?」と思ったのだが、現実は無慈悲なもので、そうでもないようだ。
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「デリカの安い物件は、おっしゃるようにガソリンモデルが中心です。しかしこれ、燃費が悪いとかならまだいいんですが、ミッションがCVTでまあまあの確率で壊れます。すると修理代が50万円前後になるわけです。仮に60万円くらいの物件を買って、CVTが壊れて載せ替え……100万は結果的に超えますよね? なら、最初から頑丈なトルコンATかつ燃費がよくて高トルクのディーゼルがいいというわけです」と教えてくれた。いわれてみれば納得だ。それでも「ガソリンのほうが好き!」という人はその限りではないが。
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スターキャンプの会場でも、「ガソリンがいいんです」という人も少なくなかったので好みの問題だが、中古車屋目線では、デリカD:5はそういったクルマなんだという。
このほかにも、ランドクルーザー300や250、70、ランドクルーザープラドなどの鉄板車種もあったが、これらは価格も高めなので、こちらの店舗ではそれほど反応はよくないという。ランドクルーザー70も、「下取りはかなり高いですけど、それが売れるかといわれると難しいですね。新車価格に相当乗ってるので……」と苦笑い。
中古SUVの回転率は早いそうで、いい物件はどんどん出ていくという。それだけに流行にも敏感な界隈なので、いまの人気モデルは来年には変わっている可能性すらあるし、急に注目を浴びるモデルも出てくるだろう。復活が決定したパジェロやパジェロミニあたりも、プレリュード復活時のように今後大きく動くかもしれない。1億総SUV時代はまだまだ続きそうだ。