オーナーが涙した「NSXリフレッシュプラン」終了……から一転! ホンダがさらに凄い一手「ヘリテージワークス」を打ち出した (2/2ページ)

レストアを施した車両は社内でデータベース化

 多くの自動車メーカーと同じく、ホンダは生産終了した車両について一定期間のあいだ補修用の純正部品を供給してきた。しかし年式の古いモデルの場合、社会情勢の変化やサプライヤー企業の動向などにより、継続して供給することが難しくなっている。そこで従来の製法や素材にとらわれることなく、新たな材料や製法を採用することで再開発したのが「純正互換部品」となる。一方、当時と同様の材料・製法で再生産されるのが「純正復刻部品」で、これらの総称が「ホンダヘリテージパーツ」となり、日本国内だけでなくグローバル規模で供給される。現在も購入できる純正部品と合わせ、これらでオーナーのニーズに応えていくというわけだ。

「ホンダレストアサービスについては、当面のあいだ初代NSXの前期モデル、NA1-100型のみが対象となる本格的なレストアプログラムです。サービスは、基本レストアとトータルレストアの2種類で、エンジンやサスペンション部品の交換に加え、全塗装を含む外装レストアや表皮を張り替える内装レストアも行います。ホンダレストアサービスを施した車両については専用のシリアルプレートを装着するだけでなく、車台番号と作業内容をデータベース化し、長いスパンで車両コンディションを把握できる環境を整備したいと考えています」

 そう話してくれたのは、この「ホンダヘリテージワークス」の中心的な人物である本田技研工業四輪事業本部カスタマーファースト統括部テクニカルサービス部リフレッシュセンターの加藤諒氏。まだ30代半ばという若手ながら、ベテランスタッフである小池邦夫氏や遠藤靖氏とともに、1台でも多くのNSXが走り続けられる環境づくりに邁進している。

ホンダが主体で進めることに大きな意味をある

 初代NSXが誕生したのは1990年だから、加藤氏とはほぼ同世代。当然ながら初代NSXが発売された当時の盛り上がりは伝え聞くのみだが、じつは自身も1990年代のネオヒストリック車両を所有するクルマ好きのひとりとして、愛車を長く所有するための環境整備の必要性を感じている。

「近年、国内自動車メーカー各社が次々とヘリテージパーツの復刻や再開発といった取り組みを行っています。私自身、愛車を乗り続けたいと考えているオーナーのひとりとして、自動車メーカーが30年以上前の製品を見捨てずにいてくれることが、なによりうれしかったのです。心の底から救われ、感動しました。この感動を、ホンダ車を愛してくださるユーザーにも絶対に味わってほしい! と思い、ヘリテージパーツをやりたいと訴え続けていました。そして縁あって部品部門に異動できたわけです」

 当初はホンダ社内のどの部署で担当しているかもわからなかったと言うが、加藤氏の熱意が会社に伝わり、現在の「ホンダヘリテージワークス」へと繋がった。次世代を担う若いジェネレーションをベテランスタッフがサポートするというプロジェクトは、もともとホンダがクルマ作りにおいてもっとも得意とするところ。今後の展開に期待せずにはいられない。

「今回の取り組みは、ホンダ自身が主体となって進めることに大きな意味があります。ただし、これまでアフターパーツや互換部品の供給、そしてカスタムといったショップやパーツメーカーが行っていた領域に踏み込む考えはなく、むしろこれまでの活動によってNSXの文化を守り続けていただいたことには感謝しかありません。私たちが目指しているのは、1台でも多く、そして1日でも長く、NSXが世界の道を走り続けること。現在は初代NSXが対象ですが、今後はほかの車種への展開も予定しています。今後の取り組みにもぜひ注目してください」

Hondaヘリテージワークス

  

 Hondaが2026年4月1日から始動するプロジェクトが「Honda Heritage Works」。まずは初代NSXを対象にスタートし、「Hondaレストアサービス」と「Hondaヘリテージパーツ」のふたつを展開。レストアはエンジンやサスペンション関連などの運動性能に関わる部位の分解・診断を行った上でオーバーホールを実施し、限りなく新車時の性能に近づけることを目標にしている。


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