チャイルドシートは「4歳まで後ろ向き」が正解! 安全命のボルボのセミナーに参加したら納得しかない中身だった (2/2ページ)

重要なのは「何km/hでも壊れない」じゃない

 セミナーの核心は、子どもの身体的特性に基づいた保護のあり方だ。ヤコブソン博士は「子どもは決して小さな大人ではありません。体の構造が根本的に違うのです」と強調する。たとえば、新生児の頭の重さは体重の約25%を占めるが、首の筋肉や骨格は極めて未発達。大人の頭部が体重の約6%であることを考えれば、そのバランスの悪さは一目瞭然だ。

「前向きのチャイルドシートに座っているときに正面衝突が起きると、重い頭が前方に投げ出され、未発達な首に凄まじい荷重がかかります。これが致命的な負傷につながるのです」

 そこでボルボが1960年代から推奨し続けているのが「後ろ向き(Rearward facing)」の着座だ。後ろ向きであれば、衝突時の衝撃を背中と頭部全体で受け止め、荷重を分散できる。ヤコブソン博士によれば、「ボルボのグローバル推奨は、最低でも4歳までは後ろ向きで座ることです。スウェーデンではこれが常識ですが、世界的にはまだ浸透していません。知識が命を救うのです」と強調する。

 セミナーでは、近年社会問題となっている「子どもの車内置き去り」についても触れられた。ボルボの新型SUV「EX90」などには、ミリ波レーダーを用いた最新の車内センサーが搭載されている。このセンサーは、サブミリメートル単位の動き、つまり「子どもの呼吸による胸のわずかな動き」さえも検知する。ドライバーが車両をロックしようとした際、車内に誰かが残っていれば、センターディスプレイに警告が表示され、ロックがかからない仕組みだ。

「疲労や不安、予定の変更などで、人間の脳は「忘れる」というミスを犯します。私たちのシステムは、そうした人間の弱さをカバーするための『第2の目』なのです」と語る。

 セミナーを通じて感じたのは、ボルボの安全に対するこだわりだ。彼らは「何km/hでぶつかっても壊れない」というスペックを誇るのではなく、「事故の現場で何が起きているか」を直視し、人間の脆弱さを補うために技術を使う。ヤコブソン博士は「知識が命を救う(Knowledge saves lives)」という。そしてそれは、ボルボが積み上げてきた8万人以上の事故データに基づいている。だからボルボには現在でも「安全」が標準装備されるのだ。


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