開発期間はじつに6年の”レクサスフレグランス”
トヨタの高級ブランド、レクサスが販売を開始した新型ESでは、車内のフレグランス=香りにも強いこだわりが込められている。その名も”レクサスフレグランス”。新しいクルマのあり方として五感での体験価値に着目。その重要な要素のひとつとして2019年からフレグランスの開発をスタートさせた。
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新車の状態から車内前方のグローブボックス内に香りの発生器を設置し、インパネ奥のスピーカーグリルから香りを発生させる本格的なシステムだ。
車内前方から放出された香りは、エアコンの風を受けたり、ドライバーやパッセンジャー、シートに当たりながら拡散していくため、どの場所から香りを出すかが重要視される。しかも真夏には50℃を超えることも珍しくない車内でいかに香りをキープするかも開発の課題になったと言う。
レクサスらしい気品のある香りに強くこだわったのは言うまでもなく、スイスに本社を置く世界最大級の香料メーカー、ジボダン社の調香師(車室空間にフォーカスした調香は初めて)ともゼロから一緒に開発を進め、97回の試作を経て、ついに”和”を感じさせる竹の香調を含んだ5つの香りを完成させた。
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現在、フレグランス体験を提供する自動車メーカーが増えているなか、調香師と二人三脚でオリジナルを創り出すメーカーは世界的にもマレ。レクサスESだけでなく、今後ほかのレクサス車への展開も期待されている。
万人受けする香りは柑橘系とフローラル系
芳香剤では香りが強すぎる。アロマオイルよりもっと自然でほのかな香りが好ましい、と言うなら”ポプリ”はどうか? 「何それ?」と言う人も多いかもしれない。
ポプリとは花や葉、ハーブ、スパイス、果物の皮などを混ぜ合わせて精油(100%天然の揮発性芳香物質)などで香りづけした芳香剤のことだ。
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クセがなく、控えめな香りは比較的狭いスペースの室内用としてうってつけ。いわゆるサシェ=香り袋としてクルマのなかで使っている人もじつは少なくないようだ。
ラベンダーやジャスミン、あるいはヒノキのチップなどが代表的で、乾燥した状態のそれを通気性のいい小さめの布製の袋に小分けし、センターコンソールの空きスペースなどに置いておけばいい。
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時間の経過とともに徐々に香りが弱まっていくが、一度袋から出して揉めば(手袋の装用は必須)再び香りを放つようになる。そもそも高額ではなく、繰り返し使えるのでコストパフォーマンスは申し分ない。
なお、香りの選択については、自分だけでなく、ほかの人を乗せることも考えれば、爽やかな香りの柑橘系やフローラル系が万人受けしやすく好印象。逆に香りが重めで残りやすいムスク(動物系香料)は避けたほうが無難かもしれない。
しかし、もっと大事なことは、ドライバー、パッセンジャーともつねに清潔さを保ち、車内も定期的にクリーニング、汚れをすぐに取り去ることを心がけることだ。どんなにかぐわしいフレグランスも異臭と混ざり合うと異臭が際立ち、耐え難い悪臭を放つことを覚えておきたい。
※本記事は雑誌「CARトップ2026年2月号」の記事を再構成して掲載しております