この記事をまとめると
■フォルクスワーゲンが新世代コンパクトEVの「ID.クロス」を世界初公開した
■新開発「MEB+」採用による広い室内と最大420kmの航続距離を実現
■価格競争力と質感とユーティリティを両立したモデルの日本導入にも期待が高まる
フォルクスワーゲンがコンパクトEV市場で反撃開始
ディーゼルゲート事件以降、EVに急激に方向転換をしてきたフォルクスワーゲン。しかし、その思惑とは裏腹に、EVではなかなか成果を出せていない。現在はEVシリーズに「ID.」のブランド名を与え、ラインアップの拡充に余念がない。
そんなフォルクスワーゲンが、EVの新型SUV「ID. Cross(ID.クロス)」を世界初公開した。2026年秋から欧州市場で販売を開始する予定で、価格は驚きの約2万8000ユーロ(約480万円)から。しかも、コンパクトSUVでありながら上級モデル並みの装備や質感を備え、「誰もが手の届くプレミアムEV」を目指したモデルになっているという。
フォルクスワーゲンID.クロスのフロントスタイリング画像はこちら
その車名からも想像できるように、ID.クロスのボディサイズは、T-Cross(Tクロス)クラスとなっている。しかし、その中身はまったく異なる。ベースとなるのはフォルクスワーゲングループが進化させた新世代EVプラットフォームの「MEB+」。従来の「MEB」を大幅にブラッシュアップし、低コスト化と高効率化を実現した新世代アーキテクチャである。
ボディサイズは全長約4.15mで、日本車でいえばヤリスクロスやヴェゼルに近いサイズ感だ。ただし、EV専用プラットフォームを採用したことで室内空間はワンクラス上を実現した。5人乗りレイアウトに加え、ラゲッジ容量は475L、さらにフロントにも約25Lの収納スペースを備え、コンパクトな外寸からは想像できない実用性が大きな魅力だ。
フォルクスワーゲンID.クロスのラゲッジルーム画像はこちら
そして、今回のID.クロスでもうひとつ注目なのがデザインだ。フォルクスワーゲンは新世代デザインテーマとして「Pure Positive」を採用。無駄な装飾を排したシンプルな面構成と、力強いフェンダーライン、フローティングルーフ風の処理などにより、従来のIDシリーズよりもSUVらしい存在感を強調している。
これまでのID.3やID.4は丸みを帯びたデザインを特徴としていたが、それが「フォルクスワーゲンらしくない」といった声も少なくなかった。それを踏まえたのか、ID.クロスでは従来のフォルクスワーゲンらしい水平基調のデザインへと回帰。ひと目でフォルクスワーゲンとわかる落ち着いたスタイリングとなっている。
インテリアも同様だ。大型ディスプレイを採用しながらも物理スイッチを復活させ、操作性を重視。質感も従来のIDシリーズから大幅に向上しており、まさに上級車並みだという。
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さて、気になるのはその性能だ。ID.クロスには3種類のモーター出力が用意される。エントリーモデルは85kW(約116馬力)、中間グレードは99kW(約135馬力)、最上級仕様は155kW(211馬力)となり、バッテリー容量は37kWhと52kWhの2種類を設定し、最大航続距離は約420km(WLTP)を確保する。
充電性能も向上しており、DC急速充電は最大で105kWに対応。新開発のユニファイドセルの採用で、前述の価格を維持しながら実用性も高めることに成功している。
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確かにこれまでのIDシリーズは、「価格が高い」「操作性が悪い」「質感が低い」といった評価を受けることがあった。しかしID.クロスでは、それらの弱点を改善したというわけだ。
現時点ではID.クロスの日本導入についての正式な発表はない。しかし、全長約4.15mという扱いやすいボディに広い室内、475Lの荷室、高品質な内装、そして実用十分な航続距離など、日本でコンパクトSUVに求められる要素をすべて満たしている。そのサイズや使い勝手を考えれば、日本市場との相性は抜群によさそうなだけに、日本導入にも期待したい。