有名すぎて一般的になってしまった例も
キャブ
これにはふたつの意味で、「名詞化(業界用語化)」が起きています。ひとつは、燃料を霧状にしてエンジンに供給する「キャブレター(気化器)」の略称。もうひとつは、トラックの運転席部分を指す「キャビン(Cabin)」の略称です。トラックの形状を指す「キャブオーバー(運転席がエンジンの上にある構造)」の「キャブ」は、もともとは航空機や船の客室といったお洒落な固有名詞のイメージ(キャビン)を伴いながら、いつの間にか「トラックの運転席そのもの」を指す言葉として定着。この言葉を使う場面で、その人の背景を察することができるというわけです。
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ユニック
トラックといえば荷台の後ろに、ちょこんと付いている小型のクレーン装置。あれを指して、現場の職人さんたちは当たり前のように「ユニック車」と呼んでいます。が、これも一般名詞ではなく、正式には「車載型トラッククレーン」です。
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「ユニック(UNIC)」は、日本の古河ユニック株式会社が製造・販売しているクレーン製品のブランド名。同社が日本で初めてこのクレーンを開発し、市場をほぼ独占したことから、他社製のクレーンが付いていても現場ではすべて「ユニック」と呼ばれてしまうことに。競合メーカーの営業マンが聞いたら、思わず遠い目をしてしまうような、圧倒的トップシェアゆえの悲喜劇となっているのです。
ジープ
ちょっと車高が高くて四角い四輪駆動車を見かけると、ご年配の方やクルマにあまり詳しくない方はたいてい「ジープ」と呼びがち。無論、オーナーの前でいうと高確率で苦笑いされること請け合いです。ジープ(Jeep)は、現在はステランティス(旧クライスラーなど)傘下の由緒正しきブランド名、つまり固有の車名。第二次世界大戦中にアメリカ軍の要請で生まれた小型四輪駆動車がルーツですが、圧倒的な悪路走破性ゆえに「四駆の代名詞」として世界に拡散されたのです。
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他社のSUVを指して「あのジープ」と呼ぶのは、マニアからすれば「いや、それトヨタのランクルですから……」と微妙な空気を生んでしまうのです。