100km/h走行時は100m空ける……は時代遅れ! 警察も推奨する「車間距離」の新常識「2秒ルール」とは (2/2ページ)

車間距離で明らになるドライバーの人間性

 無意識ではなく、車間距離を「あえて詰める」という人もいる。その理由の大半が、2車線以上の道路で「自分の前にほかのクルマを入れたくない」というもの。

 たしかに、ほかのクルマがウインカーも出さず、いきなり自分の目の前に車線変更(割り込み)をしてくれば、ヘタをすれば追突しかねない。ヒヤッともイラッともするだろう。しかし、だからと言って必要以上に前のクルマとの車間を詰めていいというものではないし、そもそも、「入れさせてたまるか!」という運転自体、合流地点で入れさせまいとグイグイ車間を詰めるのと同様、品性に欠けた行為と言える。

 別に1台、2台、自分の前に入れたからといって、目的地の到着時間が何分と変わるわけではないだろう。むしろ、車間をさらに空けて入らせたほうが、お互い気持ちいいし、安全でもある。

 筆者は、こうした道義的な面も含めて、なるべく広めに車間を空けることを意識しているが、これにはモータージャーナリストの清水和夫さんの影響が大きい。

 いわく、「道路は自分だけ走っているわけではない。周囲の円滑な流れを意識することも大事。脇道から出てくるクルマをスムースに合流させたり、対向車線に右折車がいたら(状況に応じて)減速して進路を譲る。みんながみんな車間をギチギチに詰めていたら無理だよね?」

 たとえ高級車に乗っていたとしても、紳士的な振る舞いができるかどうかで、ドライバーその人の人間性が明らかになるものだ。

どこでもすぐにできる適正車間距離の確認方法

 適切な車間距離を確保していなかったことが原因の追突事故は、一般道より高速道路のほうがはるかに重大だ。前述した道交法の「車間距離保持義務違反」の罰則も一般道の倍になっている。

 100km/hで1秒間に進む距離はおよそ30m。衝突エネルギーの大きさも一般道の比でなく、必然的に死亡事故に至る確率も高まる。

 にもかかわらず、高速道路では、なにを急いでいるのか、制限速度を超えて走る多くのクルマが追越車線を占め、しかも、各々の車間距離が20mにも満たないケースも多々見受けられる。この状況で前方の車両が、なんらかの理由で急ブレーキを踏めば、多重玉突き事故は避けようがない。

 では、実際にどの程度の車間距離が適正なのか? これまでに言われてきた『100km/h走行時は100mの車間距離が必要』という一般論は、公益財団法人・高速道路調査会がまとめた報告書では、「とくに混雑時は割り込みによって車間距離が短くなり、かえって危険度が増す」と指摘、覆された。

 最近は、欧米に習った車間を時間でとらえる方法が採用されている。具体的には、前を走る車両が標識など道路上の目印を通過した時点から自分の車両がその目印を通過するまでの所要時間を測るというもの。混雑時は約2秒、通常時は2秒以上を目安にする方法を推奨している。

 じつは、この方法は各地の警察で採用。埼玉県警ではゆとり車間距離「0102運動」(ゼロイチゼロニ運動)として実施され、効果が認められているという。自分の車間感覚では不安だと言う人は試してみるといいだろう。

 ただし、車種や、乗員数・荷物の積載量などを含めた車重あるいは路面とタイヤの摩擦係数(μ)などによって制動距離は大きく変わる。「前走車との車間時間2秒」は絶対的なものではなく、ドライバー自らが状況を正しく判断し、コントロールする必要があることを忘れないでほしい。

※本記事は雑誌「CARトップ2025年10月号」の記事を再構成して掲載しております


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