ターボエンジンのスポーツモデルなのに低粘度のシャバシャバオイルでOKってイマドキのクルマはどうなってる? エンジンオイルの世界で重要な「粘度指数」とは (2/2ページ)

クルマの年式にあったオイルを選ぶのがベスト

 エンジンオイルが潤滑性能を維持するための必要条件だが、これはエンジン内での油膜保持力がポイントとなる。オイルの温度が上昇しすぎると油膜の維持ができなくなり(油膜切れを起こす)、金属部品同士が焼き付きを起こすことになる。

 そして、油膜保持に直接関係するのが、オイル粘度である。簡単にいえば、高温のときに強いオイルほど粘度の高いオイルということになるのだが、逆に粘度の高いオイルは低温のときに硬くなり、抵抗となって燃費性能に影響をおよぼすことになる。

 現在のオイル事情に目を向けてみると、少し前までは、高性能車用オイルとして10W-50といったワイドレンジ型が一般的だったが、最近は0W-20といった低粘度型オイルが取って代わるようになってきた。低温側が10Wの粘度レンジであれば硬さによる抵抗はさほどないようにも思えるが、現状は10Wよりさらに粘度の低い0W、高温側も50から20へと大きく粘度を下げ、全体として非常に柔らかいオイルとなっている。

 この低粘度型オイルが普及した背景には、自動車に対する要求性能が、2000年代に入って省燃費性能に舵が切られたことが大きな理由として存在する。省燃費指向は、すなわち排出ガス放出量の削減を意味し、地球温暖化ガスのひとつである二酸化炭素の排出を抑えることがその目的となっている。

 ガソリンの消費量を少なく抑えることは、燃焼するガソリン量を少なく抑えるということであり、その分だけ排出する二酸化炭素の量も少なくなる、という意味である。

 そのためには、エンジン内の抵抗で失われるエネルギーを抑える必要があり、より流動抵抗の小さな粘度の低いオイルが求められる状況となったわけである。しかし、オイルには、粘度を下げると油膜の保持力も低くなる、という特性がついてまわることになる。

 従来のオイル製法に従った低粘度型オイル、たとえば0W-20といった規格のオイルを作ると、高温のときに油膜が切れやすくなり、たとえば炎天下でターボエンジン車の使用には耐えられないオイルとなってしまう。

 ではどうすれば、粘度は低いが油膜保持力の高いオイルを実現できるか?

 カギはオイルの粘度指数にある。粘度指数とは、温度の上下による粘度変化の度合いを示す指数で、粘度指数が高いほど、温度が上がっても下がっても粘度変化の度合いは小さくなる。

 つまり、現代の0W-20という表記のオイルは、オイル粘度は低いが油膜の保持力が高く、低抵抗で省燃費性能に優れながらスポーツカーのようなハードな使用にも耐えるエンジンオイル、ということを意味している。

 ただし、どのクルマでも使えるものではない。設計の古いクルマの場合、エンジン各部のクリアランス値が現代のクルマと異なり、低粘度オイルで所期の油膜保持が可能であるか否かは保証されていない。逆のいい方をすれば、低粘度ながら粘度指数の高いオイルを使うことを前提に設計された車両、つまり現代のクルマでなければ問題が発生する可能性がある、ということだ。

 現代車には現代基準のオイル、旧車にはかつての規格のオイル、こう考えておけば間違いないだろう。


この記事の画像ギャラリー

新着情報