30km/hオーバーぐらいなら撮られないから……は古すぎる考え! 最新鋭の移動オービスと判別しにくい覆面パトカーで警察も本気!! (2/2ページ)

15km/h超過でもアウトで神出鬼没な移動オービス

 全国各地に設置されているオービス(速度違反自動取締装置)はドライバーにとって脅威の存在だ。

 大きく固定式と、移動式(可搬式)の2タイプに分けられる。「固定式」は主に高速道路などに設置されるもので、一度設置されると30年以上そのままというケースも多く、その存在が広く知られ、取り締まりの効果が期待できなくなるという弱みがある。

 一方、2016年頃から導入が進んでいるのが「移動式」(可搬式)で、場所や時間帯を問わない取り締まりが可能。現在47都道府県すべてで運用されていて、首都高速などの都市高速道路でも移動オービスによる取り締まりがたびたび目撃されている。

 オービスによる取り締まりは、一般的にその場所の制限速度から(一発免停となる)30〜40km/h以上の超過が対象だ。しかし、これは固定式オービスの場合。移動式オービスはもっと低い速度で光ることがあるという。なぜなら、移動オービスは本来、住宅街や繁華街、生活道路など、上限速度が30km/hのゾーン30での、歩行者・自転車とクルマの事故防止を目的に開発された経緯があるからだ。

 それを裏付けるデータとして、移動オービスが全国に普及しはじめた2018〜2019年には15km/h未満の取り締まりが急増。警察庁が2020年2月に公開した2019年中の「道路交通法違反の取締り状況」を見ると、15km/h未満で最高速度違反となった件数は、2018年の43件から2019年には、約8倍の340件に激増しているのだった。

 もっとも、最近は移動オービスを生活道路などでの取り締まりから自動車専用道路や、都市高速道路などでの運用にシフト。超過速度が15km/h未満の取り締まり件数は減少傾向にあるようだ。

フィルム切れとは無縁のデジタル式カメラで撮影

 オービスで撮影されると固定式はほぼ赤色(一部機種で白色)、移動式の場合はLSM-300と呼ばれる機種は赤色、LSM-310や、可変周波数式器のMSSSは白く発光する。これらのストロボは非常に明るく、昼夜を問わずドライバーは撮影されたことを認識すると言う。

 そして、撮影した画像の車両ナンバーから割り出した車両の所有者に、警察署などから早ければ1週間以内、遅くとも1カ月以内に「出頭通知書」が届くという流れ。車両の所有者ではなく、(撮影された)運転していたドライバーが出頭することになる。

 出頭命令を無視しているとどうなるか? 「3年の時効がすぎたら無効になる」といった話もあるようだが、これは根も葉もないウワサ。実際、2016年には再三の出頭命令を無視していた数百名の違反者が一斉逮捕されている。超過速度が記された画像が動かぬ証拠。出頭通知書が届いたらジタバタしても始まらない。素直に警察署などに出向いたほうが賢明だ。

 旧式のオービスはフィルムの交換が必要なタイプだったが、現在ではフィルム式はほぼ皆無。オービス機器最大手の東京航空計器では、1976年からフィルム式のオービスを製造してきたが、90年代にすでに製造を終了。それに代わったのが、デジタル式カメラによる撮影方式でフィルム切れとは無縁。違反速度などのデータは即座にセンターに送られるという。

 いまの時代、「ちょうどフィルムが切れていて違反を免れた」などといったことはあり得ないのだった。

最新のレー探でも手強いアナログのネズミ捕り

 いわゆる”ネズミ捕り”と呼ばれる取り締まり。光電管方式は、80〜90年代に運用されてきた方式のひとつだ。発光式の2組の装置(発光側と受光側で1組)を、3m間隔で、かつ対向で地面に設置。そこをクルマが通過した時間から走行速度を割り出す仕組みとなっている。

 光電管は電波を発しない、レーザーでもレーダーでもないアナログ方式のため、登場から数十年がたったいまなお、レーダー探知機をもってしても発見は困難とされている。また、神出鬼没の移動式であればSNSによる情報拡散も難しい。光電管式移動オービスは、現在考え得る最強の速度取り締まりと言え、高性能なレーダー探知機でも逃れられる可能性は低い。

 さらに、ここ最近で注意を要するのが、固定式オービスの老朽化に伴って”半固定式移動オービス”が高速道路で急増していることだ。

 オービスの土台となる外枠を複数個設置。適時そこに移動式オービス(の本体)を設置することで取り締まりを行う方法だ。かなり接近しないと、なかにオービスの本体=カメラがあるのかどうかの判別がつきにくい。つまり、土台を設置しているだけでスピード違反の抑止効果効果が期待できるというわけ。現在、茨城県、長野県、熊本県など全国の高速道路で増殖中だ。

 高速道路上のオービスの手前には必ず「警告看板」が設けられているのだが、移動式オービスについては、場所や取り締まり状況に応じて地域の警察が独自に判断している様子。2017年には愛知県警が「警告看板を設置せずに取り締まりを行う」と宣言している。

 たとえ移動式オービスの警告看板が設置されていても非常に小さかったり、設置位置も左側の歩道上や、右側の中央分離帯だったりと確認しにくいことが多い。うっかりしていると見落とす可能性が高い。くれぐれも注意が必要だ。
※本記事は雑誌「CARトップ2025年10月号」の記事を再構成して掲載しています


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