コストや手間はかかるが合法で公道も走れる
さらに公道を走るという点で課題になるのは車高を上げる幅にある。結論からいえば、現在の保安基準において40mmを超えるリフトアップをするには構造変更を伴う『公認車検』が必要となる。
もともとリフトアップというカスタマイズはジープの故郷であるアメリカで生まれた文化。そのためリフトアップ量についてはインチ単位(約2.54cm)で示すことが多いが、日本の保安基準を考えると、公認車検を通さないのであれば1.5インチアップが限界だったりする。
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しかも、これはサスペンションだけで計測する数値ではなく、車両全体の話。前述したようにリフトアップと大径タイヤを組み合わせると、公認車検が必要な全高になってしまいがちだ。しかしながら公認車検を取ったとしても、日常使いにネガが生まれることはある。
立体駐車場などには「全高2.1mまで」と書かれていることが多い。しかし、リフトアップ&大径タイヤ、さらにルーフキャリアまでセットすると、軽々とその基準を超えてしまうことがある。そうなると、駐車場を探すストレスも受け入れる必要が出てくる。
さらに公道を走る上で重要となるのは、道路運送車両法で定められた「直前直左視界」の基準である。これは、公認車検を通すかどうかにかかわらず、クロカン4WDを合法的にリフトアップするには絶対に守るべき基準だ。これは、いわゆるサイドアンダーミラーの基準といえるもので、車両の前方と左方の決められたエリアに設置された目標物(高さ1m、直径30cm)を運転席から確認できなければならないとなっている。
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リフトアップは遠くの視界はよくなるかもしれないが、こうした車体近くの死角は増えがちだ。そのため「直前直左視界」の基準を満たすために、カメラやミラーの追加が必要になることは珍しくない。当然ながら、保安基準を満たした性能を実現するには、アマチュアでは対応が難しい。
結果として、リフトアップに長けたプロショップなどに相談、依頼することになる。当然だが、サスペンションやタイヤ以外のモディファイコストがかかってくる。また、タイヤについても大径にしすぎると表示速度がズレるため、スピードメーターの調整が必要になる。これもアマチュアが対応するのは難しい。
このようにリフトアップを合法的に楽しむには、安くないコストがかかることが多い。また、日常的には乗降性の悪化という我慢すべき要素も出てくる。それでもクロカン4WDのもつ悪路走破性を圧倒的に上げるというメリットはかえがたいものがある。本格派のクロカン4WDになるほどリフトアップをモディファイとして選ぶオーナーが多いのも納得だ。