大阪万博で大失敗したEVバス……「だからダメ」は早計! 猛暑に加えて災害大国の日本はやっぱりEVバスの普及が必要 (2/2ページ)

EVバスは災害時にこそ役に立つ

 さらに、車庫周辺地域で酷暑のなか停電となり冷房が使えなくなった高齢者施設や、災害発生時の避難施設などにBEVバスをもち込んで入居者や避難してきた人に一時的に冷房の利いた車内に避難してもらおうとする動きも進んでいる。もちろんBEVバスからの電力供給で災害時の非常電源としての活用も可能となる。地震や台風と同じレベルで、酷暑自体もすでに災害と呼ぶべきだとの声もある。地震や台風で被災しなくても、猛暑日レベルになったら街なかに臨時的に避暑用としてBEVバスが置かれるのも、そう遠くない未来に当たり前の光景になるかもしれない。

 現状、日本国内におけるBEV路線バスの普及状況はお試しとも呼べる段階で、BEV路線バスの本格普及はまだまだこれからとなっている。世界的にも環境性能の高い日本のバスメーカーのディーゼルエンジンなので、「大気汚染という側面ではBEVバスを積極導入しなくてもいいのではないか?」との意見もあるが、視点を変えると路線バスの電動化は社会全体にとってもより意味の深いものになるともいえるのである。

 個人所有の乗用車レベルでのBEV普及で足を引っ張るのが集合住宅問題。新築マンションなどではBEVの充電施設が用意されるようだが、すでに建設され住居として使っている建物に新たに充電施設を設置しようとすると、管理組合の理事会(自治会) によほどBEVに理解のある人でもいない限り、設置運営費用や管理費増加などの観点から、新規設置は至難の業ともいわれている。反対する主な理由は、「一部のBEVをもつ住民のためになぜ公共スペースを提供し、理事会予算で設置するのか?」といったことになるようだ。

 しかし、蓄電池を介した充電施設にすれば、当該マンションで災害時停電になったときの対策として活用できるのだが、そこまで理解してもらえる人は少ないと、ある関係者から聞いたことがある。

 一般乗用車レベルでは趣味でクルマを所有する人もいるので、「そんな理由で……」となるし、日本ではハイブリッド車もかなり普及していることもあるので、やたらとBEV推しの世の中にならなくてもいいのではと筆者も考えるが、これまで紹介してきた路線バスの運行以外での活用法を考えると、そして不安定な世界情勢に翻弄され高値傾向の目立つ燃料代などをみると、日本でもさらに勇気をもってBEVバス普及を進めてもいいのではないかと考えている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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