ホンダ・ストリームとボディサイズもコンセプトもまったく同じの究極後出しジャンケン! トヨタ・ウィッシュ14年の歴史を振り返る (2/2ページ)

2代目でも両車は競争を続けた

 では、走りはどうだったのか? 当時の試乗メモを引用してみよう。

運転感覚はワゴンよりちょっと着座位置が高く感じられる程度で、セダンタイプのクルマから乗り換えても違和感なく走り出せる。安定感は高速道路や山道でも文句なく、とくに1.8リッターモデルは操縦性の軽快感とバランスに優れ、扱いやすい。また、乗り心地は2リッターエンジン+CVTのZより快適で(17インチタイヤを唯一履くZはやや硬めの乗り心地)、ミニバンとしてのトータル性能は意外にも1.8リッターモデルに軍配が上がるといっていい。

そしてモデル末期、ライバルとの相対評価では基本設計の古さが見え隠れしてきたのも事実。運転席に着座すると確かに視界が高めでミニバン的ではあるものの、ステアリングが寝ているため妙に立ち気味の違和感あるドラポジを取らされ、シートの掛け心地にしてもシートバックが板のように感じられたりする。このあたりはストリーム優位の部分。

また、リヤダブルウイッシュボーンの足まわりと6速シーケンシャルシフト付きCVTを奢る2リッターモデルZの直噴ユニットは、回転上昇とともに騒々しいノイズが高まり、鉄壁な直進感をもたらす足まわりもしなやかさに欠ける印象が拭えなかった。

 とはいえ、走りより実用性を重視する一般ユーザーにとっての商品力でウィッシュがストリームを上まわっていたのは事実。が、ストリームも黙ってはいない。2006年に登場した2代目はさらなる低床・低重心設計パッケージを採用し、全高は立体駐車場に入るFFで1545mmを達成(ウィッシュは2代目でも全高1590mm)するとともに、パドルシフトのシフト操作でスポーティに走れるスポーツグレードのRSZを展開。そして2009年には2列シートのRSTを新設定。低重心化もあって乗り心地とハンドリングは大幅に向上。5ナンバーサイズのコンパクトワゴンとして一定の評価を得ることになる。

 それを横目で見ていたトヨタは2009年、ウィッシュを「Smart Multi Player WISH(スマート マルチ プレイヤー ウィッシュ)」をテーマに、CMキャラクターにEXILEを起用した2代目に進化させる。開発責任者のひとりは、あの86、スープラの開発主査である多田哲哉さんだ。こうして、トヨタ・ウィッシュとホンダ・ストリームは熾烈な戦いを続けていったのだった。

 そして2017年、販売終了。時代のニーズに合わせ、ハイブリッドモデルのプリウスαがその後継を担うことになった。すでにホンダ・ストリームは2014年に販売終了となっていて、ウィッシュはストリームより長い14年の生涯をまっとうしたことになる。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2026-2027日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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