この記事をまとめると ■2003年に登場したM3 CSLは世界1383台限定の究極の軽量スポーツモデル
■約110kgの軽量化やCFRP製ルーフに加え快適装備は徹底した省略
■BMW Mによる純粋な内燃機関スポーツモデルの象徴といえる
「駆けぬける歓び」を極限まで追求した究極のM3 BMWにおいて今や「M」のバッジは、SUVから電気自動車にまで貼られる便利なアイコンになってしまった感があります。もちろん、どれに乗っても呆れるほど速いですし、よくできています。しかし、筆者のような少し古い世代の人間にとって「M3」という記号はもっと特別で、どこか近寄り難い、神聖なオーラを放っていたはず。とりわけ、CSL(Coupe Sport Leichtbau)はガッチガチなMモデルとして超プレミアム化さえしているのです。
そもそもの始まりである初代E30型M3は、ドイツツーリングカー選手権(DTM)に勝つためだけに、BMWが意地とプライドをかけて作ったホモロゲーションモデルでした。ブリスターフェンダーを装備し、高回転型の直列4気筒「S14」ユニットを積んだその姿は、純度の高いスポーツマシンだったのです。
初代E30型M3 画像はこちら
しかし、時代がE36型、そして2000年に登場したE46型へと移り変わるにつれ、M3は少しずつキャラクターを変えていきました。極上のシルキーシックス(直列6気筒)を搭載し、グランドツアラーとしての快適性や上質さを追求。
むろん、それは市場の要求に応えた正しい進化ですし、ビジネスとしては大成功だったといえるでしょう。が、BMW M社のエンジニアたちの胸には、モヤモヤしたものがあったはず。「俺たちが本当に作りたいのは、こんなお利口なハイパフォーマンスカーじゃない。E30のころのような、魂を震わせるサーキット直系のマシンなのだ」とかなんとか。
その情熱が2003年、ひとつの狂気となって具現化することになります。それが、世界限定1383台のスペシャルモデル、「M3 CSL」でした。
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この「CSL」とは、クーペ・スポーツ・軽量化(Leichtbau)を意味するイニシャルで、BMWにとって1970年代にヨーロッパツーリングカー選手権を席巻した「3.0CSL」以来、およそ30年ぶりに復活させた栄光の三文字。その名に恥じぬよう、バイエルンのエンジニアたちは、キワモノと呼ぶにふさわしい凄まじいクルマを作り上げたのでした。
BMW M3 CSL スカッフプレート 画像はこちら
まずは徹底的な軽量化にフォーカスしてみましょう。ベースのE46 M3から、約110kgもの軽量化を進め、車両重量を1385kgまで追い込んでいます。その手法は今でこそ珍しくありませんが、市販車として先駆けとなる「カーボン(CFRP)製ルーフ」の採用。これによって重心を劇的に下げ、コーナリング時の身のこなしを別次元へと引き上げました。
さらにインテリアに目を移せば、レースの雰囲気に満ち溢れた風景。リクライニングなしのFRP製フルバケットシートをはじめ、ドアトリムやセンターコンソールはカーボン繊維の織り目が剥き出しになったペラッペラのパネルに変更。それでいて走行中に安っぽい共振などしないところには、ガチな作りこみだと驚くばかりです。
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