やっぱり日本車って凄いんだ! 海外の自動車ファンから「軽自動車」「90年代スポーツカー」が絶賛されていた (2/2ページ)

日本人には当たり前でも海外では特別

 アメリカの「25年ルール(製造から25年経てば右ハンドル車でも輸入解禁)」も手伝って、かつて日本の街なかを走っていたスポーツカーたちが、今や海の向こうで信じられないほどの高値で取引されているのはご承知のとおり。「あのころ、頑張れば手が届いたクルマがどうして……」と、日本の旧車好きとしては少し複雑な、寂しいような気分にもなりますが、それだけ彼らの憧れが本物だという証拠でもあるのでしょう。

 さらに海外のファンが羨むのが、日本の独特な地理的・社会的環境が育んだ「ガラパゴス的」な文化、すなわち「軽自動車(Kei car)」にほかなりません。日本独自の縛りのなかで、メーカーが知恵を絞り倒して生まれた小さなパッケージには、機能美と遊び心が溢れんばかり。これが海外のフィルターにかかると「なんてスマートで、合理的で、愛らしいんだ!」 と新鮮な衝撃をもって受け止められているのです。

 私たちが「仕方のない制限」だと思っていたものが、世界から見れば「珠玉のアイディア」に見えるというなんとも面白いポイントです。加えて、週末の夜に大黒パーキングエリアなどに集まるカスタムカーのコミュニティもあり、今や世界的な聖地となっています。

 スーパーカーからチューニングカー、ちょっと奇抜なドレスアップカーまでが、大きなトラブルもなく同じ場所に平和に共存している。この「フレンドリーで安全なクルマ好きの空気感」そのものが、海外の目には奇跡的なカルチャーとして映っているのは間違いないでしょう。

 小さな島国が、ただひたすらに生真面目な工夫で最適解を追い求めてきた結果、気がつけば世界中からリスペクトされる独自の自動車文化が完成。となると、世界が恋い焦がれ、家一軒分の金を積んででも手に入れたいと願うカルチャーの真んなかに、私たちは生きているのです。

 明日の朝、ガレージを開けるとき、あるいは交差点で隣に軽自動車が並んだら、ほんの少し、誇らしい気もちでステアリングを握り直してみてはいかがでしょうか。私たちが当たり前に過ごしている日常こそ、世界中のクルマ好きが夢にまで見た「聖地」そのものなのですから。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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