デコトラ「追っかけ少年」から専門誌の編集長へ! 昭和の街道を彩った和製カスタム「デコトラ」に捧げた半生

この記事をまとめると

■デコトラを追いかけ撮影する少年たちが存在した

■デコトラは昼夜で姿を変える電飾と個性的な装飾が魅力

■デコチャリや模型にも広がる独自のファン文化といえる

少年たちを魅了した独自のカスタム文化

 改造車の世界にはファンが存在するものがある。ドリフト族や暴走族が集まるスポットにはギャラリーが押し寄せ、不法な行為であるにもかかわらず、その場を盛り上げてしまう。そのような反社会的なものを肯定するわけではないが、アウトローな雰囲気だからこそ魅力を感じるところもある。

 乗りたいけれど、免許を取得できる年齢ではない。または、財政的な問題で自分ではできない。そのような理由でファンが誕生するのだが、デコトラの世界にもほかとは少々性質が異なる「追っかけ少年」と呼ばれるファンが存在するのをご存じだろうか。ここでは1970年代から続く彼らの活動内容を、もともと追っかけ少年だった筆者が自身の体験を交えながら解説させていただくことにする。

 代表的な活動は、文字どおりデコトラの追っかけ。つまり国道や中央卸売市場などでデコトラを待ち構え、撮影するというものだ。またはイベント会場へと出向き、好みのデコトラを撮影する。筆者が撮影していた昭和の時代では自分で楽しむためにデコトラを撮影するというのが基本で、せいぜいデコトラ専門誌に投稿するぐらいだった。

 それゆえトラブルが発生することはなかったのだが、SNSが普及した現代ではトラブルとなってしまうケースも見受けられる。無断撮影、無断公開、ナンバープレートを修正せずに公開するという行為。それらは撮影させてもらったデコトラのドライバー、もしくは車両を所有する会社に迷惑をかけてしまうことになりかねないため、注意したいところである。

 本格的な追っかけ少年であれば、自転車をデコトラのように飾り立てるデコチャリ少年へと進むこともある。昭和の時代と比較すればデコチャリブームは衰退したが、自分が乗れるものを飾ろうとする気もちは自然なことかもしれない。筆者自身もそのような思いで自転車を飾り、デコトラ野郎を気取っていたものだ。プラモデルにも精を出し、とにかくデコトラ一色の青春時代を過ごしたのである。

 では、なぜそこまでデコトラに魅せられたのだろうか。もともとクルマが好きだった筆者は、デコトラのほかにも走り屋やバニング、ローライダーやトラッキンといったカスタムカーにも興味を抱いた。大阪人らしく環状族にも同乗させてもらったこともある。それぞれの集まりやイベントにも出向いたのだが、それでも唯一デコトラからは離れることができなかった。もちろんすべてに興味があるのはいまも変わらないのだが、デコトラにはほかにはない魅力があるのである。

 その最たるものは、昼と夜という二面性の魅力。デコトラには多種多様の電飾が取り付けられているため、昼と夜で異なる姿を披露してくれる。昼は豪快な飾りと絵で魅せ、夜は艶やかなイルミネーションで魅せる。改造車でもこのような特徴をもっているものは少ないだろう。

 ふたつめは、個性が強いという部分。市販されているエアロパーツとは異なり、ステンレスや鉄で製作されるデコトラの飾りはほとんどがオーダーメイドであるため、それぞれが違った仕上がりになる。また、基本的に和製改造車だというところも、日本人の心をくすぐるのかもしれない。

 デコトラに魅せられ続けた筆者は、現在デコトラ専門誌「トラック魂」の編集長を務めている。過去の経験や知識をフルに活用し、自身が魅了されたデコトラの素晴らしさを伝えていくとともに、日本が誇る独自の文化としてこれからも応援し続けたい。


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