トヨタ・タンドラに日産ムラーノ。いま日本で増えている全幅2m級の巨大SUVが直面する日本の駐車場と道路事情 (2/2ページ)

購入前に自宅の駐車場を要確認!

 ここで国土交通省による日本の駐車場設計指針を見てみると、一般的な駐車場の駐車枠は、道の駅でもそうであるように、長さ6m、幅2.5mだそうだ。しかしそれはまだいいほう。コインパーキングでは長さ5mにして幅は2.3~2.5mと場所によっては幅が狭くなり、銀座などにあるパーキングメーターの駐車枠に至っては、長さ5mはそのままでも幅は2mと、道路交通事情を考慮した枠寸法になっている(例外あり)。

 自宅、出先での駐車スペース、ドアの開閉容易性について補足すると、車幅に対して左右それぞれ60cm前後のスペースが必要とされ、そもそもかつてトヨタ・クラウンが守ってきた全幅1800mmでも、両側のドアを大きく開けるためには1800+1200mm=3000mmの幅の駐車スペースが必要になる(現行型クラウンは全幅が1800mm以上ある)。ひとり乗車で助手席側ボディサイドをギリギリ左側に寄せたとして運転席ドアから乗降するのであれば1800+60mm=2400mm。つまり2.4mの枠幅があればいいことにはなる。

 が、全長5930mm、全幅2030mmのトヨタ・タンドラの場合、日本の一般的な駐車スペースの全長5mから930mm、約1mもはみ出してしまうことになり、幅2.5mの駐車枠で隣にクルマが停まっていたとすれば、枠内でギリギリ左側に寄せたとしても、大きなドアを開けるのに苦労するに違いない(こちらがドアパンチする側になりかねない)。大きなクルマの運転に慣れているドライバーでも、走っているときには問題なくても、いざ停めるとなると、場所、スペースを選ぶことになり、苦労するはずだ。

 以前、全長4995×全幅1930mmのキャデラック・リリックを試乗のために借りた際、撮影途中でランチするため、公共駐車場に入れたのだが、両側にクルマ、大型車が停まっているスペースを避け、片側が開けているスペースを探すのに苦労したものだ。

 また、通る道(とくに狭い対面通行の道)にも注意が必要だ。ナビゲーションによっては近道となる極端に狭い道を案内することもありうる。そんな道に万一、足を踏み入れたら地獄である。たとえば東京・世田谷の裏道、箱根では東名御殿場ICから一気に箱根スカイラインに出られる、箱根の走り屋の聖地でもある乙女道路、富士五湖周辺では西湖の周遊道路なども「鬼門」になるだろう。つまり、停める場所だけでなく、走る道にも注意が必要になるということだ。

 そんな注意点を頭に入れた上で、ぜひ実践してほしいのが、ディーラーで試乗する機会があったとき、街なかを走るだけでなく、自宅の駐車場に入れてみることだ。街なかの走行でそれほど苦労しなくても、いざ、自宅の駐車場に入れるとなると、駐車スペースとクルマの全長、全幅、駐車場前の道幅の関係だけでなく、巨体ゆえの最小回転半径の大きさからこれまでにない切り返しが必要になり、日々、駐車するのがおっくうになることも、いや、駐車そのものが困難になることもありうるからだ(あらかじめ自宅の駐車スペースの寸法計測は不可欠)。

 また、自宅の集合住宅の駐車場が立体の場合、全長5m、車幅1.85m以下が一般的だから、そもそもここで紹介したクルマたちは駐車不可である。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2026-2027日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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