11年ぶりに日本復活を遂げる日産ムラーノ。制約だらけでも魅力的な新型の中身と歴代モデルの振り返り (2/2ページ)

制約も多いが人気の予感

 当時の試乗メモを引っ張り出せば、「3.5リッターモデルはCVTとの相性もよく、トルキーで扱いやすい。豪快というよりはスムースでシャープな加速力がもち味で、2.5リッターのFFモデルは1630kgという軽量な車重もあって出足から俊敏で軽快感ある加速フィールが気もちよい。ムラーノ全体としてはリバウンドスプリング内蔵のサスペンションによるフラットかつ荒れた道でも快適な乗り心地のよさと安定感、巡行時を含めた静粛性もなかなかのものといえる」と記してある。

 しかし、大柄なボディサイズが災いしたのか、日本での販売は今に至る空前のSUVブーム到来前もあって、伸び悩んだのも事実。2015年4月に国内販売を終了することになったのだ。その後、3代目(Z52型)はかなり攻めたダイナミックなスタイリングで登場したものの、生産は北米、中国、ロシアのみだった。

 そして2025年、3代目からさらにボディサイズを拡大した4代目が北米で登場。プレミアム感あるインテリアには12.3インチのデュアルディスプレイを採用。日産最新の360度セーフティアシストによって安全性も一段と向上している。

 個人的には歴代ムラーノのなかでもっともプレミアム感があるとともに、好き嫌いがわかれにくく、誰からも好感をもって受け入れられる、ドイツ製SUVに負けない存在感をもつのがこの4代目だと思える。いまの日産が完全な日本仕様の生産に踏み切れないのは残念だが、日産製でありながらアメリカンSUVの雰囲気を味わえる1台として、全長4900×全幅1980のボディサイズを許せるSUVファンからは、大ヒットは望めないにしても一定の人気は出そうな予感がする。

 そして2代目を最後に途絶えた、”登場する時代が早すぎたスタイリッシュSUV”といっていいムラーノが、左ハンドルの北米仕様の逆輸入車であれ日本に復活したことも嬉しさを感じさせてくれる。

 ちなみに、右側通行から左側通行の変更に伴ったヘッドライトの配光や、プロパイロットの設定などは、日本仕様向けに変更されている。ただしメーターの言語は英語・スペイン語・フランス語のみ。ディスプレイオーディオも英語・スペイン語・フランス語・アラビア語のみで、日本語の表示は不可となる。

 また、Nissan Connectサービス、SOSコール、AM/FMラジオの使用も不可。さらにプロパイロット・インテリジェントクルーズコントロールの最高速度が144km/hになり、運転席側(左)のドアミラーが平面鏡となって国内生産車とは視界・見え方が異なる……などの違いがある点は知っておきたい。


この記事の画像ギャラリー

青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2026-2027日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報