まだまだ荒削りなところがあった
その2代目プリウスのチーフエンジニアであった井上雅央氏は、2代目プリウスを世に出す際に、こんなメッセージを発信していた。
「ハイブリッドカーを広く世界に普及・浸透させるため、新型プリウスには、これまで以上の環境性能に加えて、クルマ本来の魅力である、所有する喜び、運転する楽しさ、走る気もちよさをお客様に存分に味わっていただけるクルマにしたいと考えました。エコとパワーを同時に、かつ飛躍的に進化させる『ハイブリッド・シナジー・ドライブ』のコンセプトのもと、新世代トヨタハイブリッドシステム『THS II』をはじめ、未来的なスタイリングや心地よいハンドリングなど、数々の魅力的な先進機能や装備を採用しました。“先駆け”に由来するプリウスの名にふさわしい、時代をリードする革新的なクルマに仕上がったと確信しています」
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そしてなんといっても2代目プリウスは、新しいモノ好きのハリウッド俳優たちの目にとまり、じっさいにレオナルド・ディカプリオなどのハリウッドスターがアカデミー賞授賞式にプリウスで乗りつけ、レッドカーペットを歩く様子が報じられ、環境意識の高い層に関心が広がっていった。「セレブの乗るクルマは地球に優しいハイブリッドカー」とばかりに愛されたハイブリッドカーでもあったのだ。
そんな2代目プリウスに乗ってみた記憶を辿れば、エレクトロシフトマチックは最初こそ戸惑うものの、慣れれば簡単だった。その先進性と“足踏み式パーキングブレーキ”との新旧の違和感がつきまとったものだ。加速性能はやんわりとしており、トルキー。トヨタによれば2リッターNAエンジン並みの加速だそうだが、その加速力を発揮できるのはバッテリーに十分な電気があり、モーターアシストが作動するときに限られる。駆動バッテリーが減ってしまうと、エンジンはバッテリーの充電に専念するため、とくに山道の上りでは加速力に期待できなくなるというわけだ(平坦路では問題なし)。
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標準モデルの乗り心地は、初代ほどのマイルド感はなくごく普通であった。いや、路面によっては足まわりがちょっとドタバタするのが気になったことを思い出す。一方、ツーリングセレクションは、たしか欧州仕様の足まわりがおごられ、タイヤも15インチから16インチにサイズアップされるため(回転半径は大きくなる)、より引き締まった、フラットライドとなるのが特徴だった。
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ただし、当時の回生ブレーキにはまだまだ不自然さがあったと記憶している。今のプリウス、というか、今のトヨタのハイブリッドカーほどの粘り強いEV走行距離も得られなかったのも本当だ。とはいえ、今ではごく一般的になったハイブリッドカーだが(ストロング、マイルドを含む)、この時代にハイブリッドカーに乗るというのは、先に紹介したハリウッドスターだけでなく一般のクルマユーザーにとっても、「環境を考えてクルマに乗っていますよ」という一つのステイタスであり、先進的で知的な選択でもあったのだ。